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ルーナの場合(その2) [ふたご姫妄想戦記]

過ごしやすくなってきた土曜日。
運動会シーズンでも土曜日になるとなんとなく更新される妄想駄文。
身勝手妄想痛すぎふたご姫に関係思想なナニカ。


今回は・・・
ルーナ.jpg

ルーナさん。
妄想で書いてみたショートストーリーにおけるヒロインさん。


■何故にルーナ?
ふしぎ星のふたご姫GYUの学園でのお話。
アニメではぞんざいな扱いのキャラも結構いて、勿体なかったなぁ・・・
そんな想いからキャラのお話やら続きやらを妄想してみて。
それがトロワエトワールに繋がっていくのでした(えー)。
そんな妄想のヒロインとして考えたのがルーナ。
ふしぎ星ラビ族のルーナ。

■アニメのルーナ?
基本的に存在しない人。
半分は。
・・・半分というのは、基があるからという意味で。
そしてデザインも半分はアニメの為に起こされたのであろうものを踏襲した(つもり)から。

アニメにはルーナなる人物は存在しない。
けれど、ルーナのベースになった人物が無印に登場する。
ラビ族のキャンディ。
それがルーナのベースであり同一人物。
キャンディがプリンセス・グレイスの残した魔石で変貌したのがルーナの姿。

学園に入学するために人間の姿になったルーナ(キャンディ)。
ただし、耳だけはラビ族のままだっために頭巾を着用。
そして付けられたあだ名が「ホッカムリ」。
・・・不憫です。

■妄想のルーナ?
そもそもなんでキャンディをルーナなんて名前にして人間にする必要があるのか?
謎の全ては『ふしぎ星のふたご姫キャラクターディテールブック2』のP91に。

ルーナという名前でデザインが起こされている少女。
キャンディとの関係は一切不明だけれども・・・
月の国の住人であろうことはその雰囲気からうかがい知ることが可能。
なにかルーナとの関係や物語が設定されていたのかもしれないが-
結局は描かれることなくアニメはGYUへ。

でもそれはあまりにモッタイナイ!(えー!?)
そこで上記の設定を付加して、物語のヒロインに仕立て上げた。
・・・というのがルーナ=キャンディ真実。

しかし何故入学するのに人間の姿になったのか?
それはラビ族の学生は1人もいなかったということと制服が無かったから。
・・・という理由を考えたものの、タネタネにも合う制服が存在するなら・・・
別にラビ族向けの制服あってもおかしくないわけで。
無理のある設定です。しょぼん・・・

ひかり星の3姫による最後のお礼~まとめ~ [ふたご姫妄想戦記]

土曜日に綴られてきたような気がする、
ふたご姫GYUの残滓とも呼べない電波系文章。
その終局の3人娘の回です。

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

シャイン☆.jpgいよいよこの日がきちゃったね・・・
ブリンク☆.jpgひかり星またたきの国のプリンセス、
ブリンクよぉ!
って、何がどうしたの、シャイン?
グリタ☆.jpg・・・ブリンク・・・空気嫁。
ブリンク☆.jpgなんですってぇ!!
嫁ってどういことよぉ!!
あたしはブライト様のモノよぉ!!
シャイン☆.jpg・・・あはは。

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

ブリンク☆.jpgええええええ!?
終わっちゃったのぉ??
シャイン☆.jpgうん。
ブログ主の妄想で綴るたふたご姫の物語・・・
先週で無事に最終回を迎えたの。
グリタ☆.jpg・・・我々は・・・リストラ・・・
ブリンク☆.jpgノオォオオ!!
あたし達、ほとんど出番なかったわよぉ!?
主役は?
ねぇ!あたしの主役のお話わぁあああ!!!
シャイン☆.jpgうん。・・・なかったね。
私たち全員だけど・・・
グリタ☆.jpg・・・諸行無常・・・
ブリンク☆.jpg無情すぎるわよぉ!
あ、わかったわぁ。あたしの推理だとアレよ!
あたし達の魅力が強すぎて、その・・・
他のキャラ霞むからよ!
絶対そうよ!きっと!
シャイン☆.jpgうん、すごく上からの視点だね。ブリンク。
グリタ☆.jpg・・・推理でなく・・・ワガママ・・・

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

ブリンク☆.jpgううう・・・
ねぇ・・・
あたし達、これからどうなるの?
あたしはホラ・・・
名推理ができる美少女探偵として・・・
グリタ☆.jpg・・・リストラ・・・
・・・常考。
ブリンク☆.jpgノオノノオノノノオノオォオオオ!!
嫌ぁ!それだけは嫌よぉおおお!!
グリタ☆.jpg・・・あにゃまる探偵?
シャイン☆.jpg・・・でも、まあ、そうなるでしょうね。
グリタ☆.jpg・・・タイ語?
ブリンク☆.jpgええ!?
シャイン☆.jpgいや、そっちじゃなくて。
わたし達、これ出番、終わりかな。
グリタ☆.jpg・・・ガーン。
ブリンク☆.jpgどうしようもない現実なのねぇ。
シャイン☆.jpg私たちは、ふたご姫GYUの第8話・・・
ハーブの初登場の回だね。
そこで登場した名無しキャラがベース。
それがこれだけ活躍できたからのだし・・・
良しかな?って・・・そう思ってるの。
ブリンク☆.jpg・・・シャイン。
グリタ☆.jpg・・・
ブリンク☆.jpg・・・1人だけ彼氏持ちは違うわね。
グリタ☆.jpg・・・常考。
シャイン☆.jpg!!
カント=ダキー君の事は関係ないよっ!?
グリタ☆.jpg・・・誰も「おで~ん」とは言ってない。
ブリンク☆.jpg・・・言ってないわねぇ。
シャイン☆.jpgえ、あ?ううう・・・
ふにゅう・・・
☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆
ブリンク☆.jpgでもさ・・・
冗談抜きで、あたし達の出番も終わりかなぁ。
シャイン☆.jpgうん、そうだね。
でも、土曜日にまたちょこっとくらい・・・
ふたご姫のSSが書かれることって・・・
あるかもしれないよ?
ブリンク☆.jpgそっか・・・そうよねぇ。
グリタ☆.jpgウム。
・・・信じれていれば、その時に必ず会える。
シャイン☆.jpgええ。きっとね☆
再開を信じて今までのお礼言わなきゃ!
今まで読んで下さった人たち・・・
本当に有り難うございましたっ♪
ブリンク☆.jpgそうよ!
次ぎはあたし達が主役よぉ!
グリタ☆.jpg・・・だから・・・その時まで・・・
またどこかで!000.jpg

ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(3) [ふたご姫妄想戦記]

土曜日に更新される・・・
と言い続けて如何ほど立ちましょうか?

今から4年前のこの月の土曜日。
ふしぎ星のふたご姫GYUという作品が終わりました。

その時から始まっていたのかもしれません。
コレ(どれ?)。

いつも通り闇に滅せられるはずだった拙い妄想。
ほんの出来心が芽生えて、ブログに書きなぐれて・・・
そして、今、終わりを迎えようとしています。

ふたご姫の関わる一連の駄文。
始まりはルーシアの設定からでした
そして物語のお話は物語の終わりのお話
細かな部分が違う所もありますが、大筋は変わらず。
・・・のつもりです(えー)。

それからから2年と半分。
飽っぽく、忘れっぽく、三日坊主の人間が綴ってきた物語。

駄文長文誤字脱字。
余りに情けない体裁だけれど、
たくさんの想いを詰め込んで・・・今、最後の物語を記します。
新しい始まりのために・・・・

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)最終話

ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(3)

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆


☆★☆あらすじ☆★☆

ひみつ星のプリンセス・ルーシア。彼女は宇宙のハッピーの象徴であるソレイユベルを消し去るために、ホワイト星をぶつけるという恐ろしい計画を実行しました。親友を止めるため、ひみつ星のルーナは、再びホワイト星を目指します・・・ふたご姫の想いと共に。

→前々回 ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(1)
→前回 ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(2)

☆★☆第5章 ひとりの想い★☆

耳に入ってくるのは地鳴りだけ。
それ以外はなにもない世界。
胸にあるのは知らない感情。
押しつぶされそうになる感じ・・・

ホワイト星は動いている余波なのか薄暗い夜のよう。
その中にあって、動く影はルーシアはひとり。
ただ座っているだけ。
ひみつ姫の憂鬱000.jpg

その理由・・・
それは初めて感じる感覚にに押しつぶされそうになっていたから。

この胸に重く圧し掛かるのは何?
息苦しい。
どうしてなの?
独りでいるのがこんなに辛い―

表現しがたい感覚、感情。

こんな風に思うのって初めてね・・・。
だってそうでしょう?
私は常に一人だったもの。

誰かと一緒にいても、いつでも一人だった。
仲良くしているのも、所詮は演技。
笑顔と言葉は偽りの仮面。

なぜ?

もちろん、それは全ては今日のため。
今果たす目的のためなのだから。

ひみつ星のひみつをひみつでは無くすために。
全宇宙の無知な人々に、ひみつ星の大切さを刻み込むために。
偽りの幸せの鐘を鳴らし続けるソレイユベルを滅ぼすために。

そのために生きてきた。
そのためだけに存在してきた。
そうね・・・そうだわ・・・絶対に・・・

だから、今、ホワイト星を向かわせているのよね。
ロイヤルワンダープラネットに。
ソレイユベルに向けて激突させるために・・・


そこで、ふとルーシアは寂しげな笑みを浮かべます。

なんて恐ろしいことをしているのだろう・・・と思う。
でも大丈夫。
これで誰かが傷つくことはないから。

ソレイユベルは自らの身を犠牲にするわ。
そして、衝撃からロイヤルワンダープラネットを守るの。
それは星の激突さえ耐えきる魔法の力。ハッピーの力。
もちろん、学園にいる生徒や教師全員も守られる。必ずね。

学園にホワイト星の住人やビビンを送ったのはそのため。
ホワイト星には悪いけれど、ね。
こればかっかりは仕方がないわね。

だからこそ選んだ方法なのだから。
だれかが傷ついたり命を失ったり・・・
そんなことは私の願いじゃないのだもの。

寝ざめが悪いし。
何より、ひみつ星のひみつを知る人間が減ってしまう。
そんなのは意味がない。

多くの人間が知らなくてはならないの。
ひみつ星のひみつを。
ひみつ星の苦労を。
ひみつ星の大切さを。
その意味を噛みしめなくてはならないのだから。


そこまで考えて、ルーシアは顔をあげました。
そして薄暗い空を見上げます。

もし、失敗したら?

そう。
もし、ふたご姫が復活して・・・
途中でホワイト星を止めてしまったら?

ふふふ・・・でも大丈夫。

私は魔法の力でホワイト星をソレイユベルに突撃させる。
絶対に。確実に。
ふたご姫はソレイユベルを守るでしょうけれど、それでいいの。

ファインとレインによって守られるソレイユベル。
その裏で、ホワイト星と一緒に命を失う私。

結果、多くの人の心に刻み込まれるでしょう。
ひみつ星のひみつのために命を失った者がいたということを。
つまらないひみつのために散る命。
哀れな存在。
その記憶が大勢の無知な笑顔をなくすハズだわ。
心の傷となって刷り込まれるの。

このままソレイユベルに激突できても―
ふたご姫が復活してホワイト星を止めようとしても―
どちらにしても、私はこの星と運命を共にする。

考えてみたら、それは当然のこと。
だって、ブラッククリスタルキングを生み出したのは私。
きっかけとは言え、そのせいで多くの星や国が苦しんだもの。

そして今、全宇宙を混乱させている原因になっている。
多くの星の王族の子ども達がいる学園を脅かしている。

その罪はどれほど重いものになるのかしら?
その罪はどんなに頑張れば償えるのかしら?

ものすごく罪深いことよね?
償うことはとても無理よね?

そんなことくらい、解ってる。
自覚はあるわ。
だから、きっちりケジメはつないと・・・ね。
責任はきちんと取るつもり。


自分の命で―


過程が重要なのではない。
結果が全てなのだもの。


そして、また膝に顔をうずめて思いを巡らせます。

長すぎる生は牢獄みたいなものよ。
ふふ、それに誰も傷つかないのだもの・・・
私の終わりも計画の一部だなんて、よく出来ているわよね?

でも、その瞬間、思い出されたことがありました。
ルーシアに脳裏に浮かぶ少女の姿がありました。

・・・誰も・・・傷ついていない・・・の?本当に??

思い出された泣き顔。
最後に見たのは大きな瞳から溢れる涙。

どうしてかしら・・・

ルーシアは身を固くしました。

長い長い自らの生の終わりが近い今、
思い出されるのは、あの子たちとの思い出ばかり。

耳に残っているのは、あの子たちの笑い声。
目に焼き付いているのは、あの子たちとの日常。
目をつぶれば、全てが鮮やかに思い起こされる日々・・・

そうね・・・最後にもう一度・・・

でも、ルーシアは首を何度も振ります。
そうして、なんとかその想いをかき消しました。

私は長い時間を生きてきた。
全てはこれから起こる瞬間のため。
今までのことなんて単なる通過点。
夢みたなものじゃない・・・

なのに、脳裏から離れない学園の想い出。

どうして?

長い時間、多くの人と出会ってきたのに。
プリンセス・グレイスとさえ出会った。
ブラッククリスタルキングの生まれる瞬間にも立ち会った。

なのに・・・
なのに、学園のあの子たちのことばかりが思い出されるの?

どうして・・・
最後に見た・・・
あの子の泣き顔ばかり・・・
頭から離れないの??

地鳴りだけが聞こえる世界で、独り。
ルーシアは苦しんでいました。
自分の選択に。
初めて知る感情に。

ひみつ星のひみつを無くす。
そのためだけに生きてきた。
それが今終わるのよ?
本当は心安らかになるのではなかったの??

死ぬのが怖いんじゃない。
もっと違う感情。

これは・・・そう、これは・・・
これは寂しいという感情。

あの子たちに会いたい・・・
ルーナに・・・
最後にもう一度ルーナに会って・・・
ルーナに会って・・・

どうするの?

「ぷっ・・・あははは・・・」
ルーシアは急に笑い出しました。

謝るの?

抱きしめるの?

許しを請うの?

ふふふ・・・バカみたい。

ぐるぐると同じことばかりを考える。
そうだ・・・もうすぐこんなことも終わるわ。

ルーシアは再び膝に顔をうずめました。

静かに、心安らかに。
ただ、自分の身の終わりを待つだけじゃない。

何度も何度も自分に言い聞かせます。
でも・・・
頭の中でも、心の中でも、同じ想いが渦巻くばかり。

胸にのしかかる孤独の意識。
強く感じるのは、とても辛くて、悲しくて、そして寂しいという想い。
さみしくて、さみしくて・・・押しつぶされそうになる・・・
ただただ、それに耐えるだけ。

ひみつ星のプリンセス・ルーシア。
地鳴りだけが聞こえる世界で独り、終わりを待っていました。
終わらない思考の螺旋に身を委ねて・・・

☆★☆第6章 覚悟の想い★☆


「行ったわね。」
「ええ。行っちゃったね。」
「ほら、アルテッサ。私の言った通りでしょう?」
「な、なにがよ・・・」
「ファインとレインに相談したら、て!」
「・・・う・・・そうですわね。」

飛び立つルーナを講堂の外に来て見送った生徒たち。
彼女の光の翼は数多くの使い魔を浄化しました。
それでも使い魔はまだまだ残っていてます。
今できることと言えば・・

「それじゃ、残りの使い魔をやっつけましょ!?」
生徒会長の声を合図に生徒たちは再び動き始めました。
自分ができる精一杯のために。

「この学園に絶望なんて必要ないッ!!」
副生徒会長の叫びが響きます。

学園を守るための戦い。
生徒たちは一生懸命に使い魔たちを追い払います。
そもそも使い魔は1匹1匹ではたいしたものではありません。
でも決して気を抜くことはできないのです。

「えい、えい!」
「こっちにも!」
「う、うん。ローズマリー、今・・・」
「後ろ!危ないっ!!」
それは一瞬のことでした。
1匹をはたき落した時、呼ぶ声に振り向いた瞬間。
鉢植えに隠れていた使い魔が首筋に・・・

「ハーブ!!」
噛みつかれた!?
血が・・・血がで・・・あれ?

でも、痛みの感覚はいつまでたってもありません。
どうして・・・?

「相変わらずトロいわね、アンタ達って・・・」
「え?」
聞きなれない声。
いいえ。それは懐かしい声。

「でも、まぁ、泣かなくなった分、マシかしら?」
「あ・・・ああ・・・」
「そんな・・・」

今まさに襲いかからんとした使い魔。
それを傍らに抱えた大きな本でたたき落とした少女。
以前魔法の本に閉じ込められたリラク星のプリンセス・・・

「アロマ!」
涙ながらの叫ぶ声。
流れるのはうれし涙。

「でも・・・どうして・・・」
「あのちびの双子よ。」
「え?ふたごって・・・」
「そうよ。あの二人がね。しゃくだけど。」
「ファインと・・・レイン?」
「ええ。今は心だけになったからとなんとかで。」
「!!」

アロマは話しました。
精神体になったふたご姫―
ファインとレインが閉ざされた本の世界に来たことを。
そして、闇を漂っていた自分を助けだしてくれたことを・・・

「前は助けられてなくてごめんなさい・・・だってさ。」
そう言って、アロマは手でパタパタと自分を仰ぎます。

「ファインとレインが・・・」
「暑いわね、コッチは。ったく、バカにしてるわよ。ほんと。」
「アロマ、あのね・・・」
そんな言葉を遮って強い口調で言います。

「はいはい。きっちり借りは返すわよ。」
それから、ちらりと妹分の2人を見渡しました。

「あの赤と青の分、あたしが頑張ればいいんでしょ?」
「!!」
「さ、行くわよ、昔にみたいにすぐ泣かないでよねっ!?」
「う、うん!」

少しこわばる2人の表情。
それを見たアロマは、表情を緩めて言います。
「自分の身は守るのよ?ギリギリまで助けないわよっ!」

その笑顔―
それはハーブとローズマリーが大好きだった笑顔。
幼い日々、リラク星で過ごした、あの頃のの笑顔でした。


ファインとレイン。
今は心無い人形のようにたたずむだけです。
でも、ふたご姫の明るさと優しさは多くの人を変えています。

だから大丈夫。
必ず2人の心はきっと戻る―
学園の生徒は皆、そう信じていました。

そして、学園だけではなく、ここにもそう強く信じる者がいます。
「ファインさん・・・レインさん・・・」

ホワイト星を目指して飛び続けるルーナ。
ルーナは何故かふたご姫の存在を近くに感じていました。
でも、なんとなく解るような気がします。

なぜなら・・・
今の自分はファインとレインの心と共にあるのだから。

ふたご姫を― 学園のみんなを― 自分を―
信じられるからこそ、再び目指しているんだ―

「見えた!ロケット!!」
ルーナは光の翼をたたんで着地します。
再び降り立ったホワイト星。
そこは最初にロケットで着陸した場所でした。

「ううう・・肩が痛い・・・」
そもそも空を飛ぶことなんて初めてです。
慣れないことでも全速力で空を飛んできたルーナ。
体中が悲鳴を上げていました。

どこかで少し休んだ方が・・・
そんな弱気の気持ちをすぐ首を振ってかき消します。

「ううん。そんな場合じゃない!」
ルーナは気を引き締めました。

もはやこの星がロイヤルワンダープラネットへの―
ソレイユベルへの激突まで猶予はありません。
少しの時間さえ貴重なのですから。

「行かなきゃ!」
残された時間は決して多くありません。
身体の痛みを堪えて、ルーナは再び翼をはためかせます。

目的の場所はただひとつ。
ルーシアのもとへ―

☆★☆最終章 ひみつ星のルーシアとふしぎ星のルーナ★☆


ルーシアはまたため息をつきます。

これで何度目かしら?
学園のことを・・・
ルーナのことを・・・
今までのことに思いめぐらせるのは。
いい加減、ウンザリだわ。
はやくホワイト星、ぶつかってくれないかしら?

そう思って、数えるのが嫌になる深いため息をつこうとした―
その時でした。

「ルーシアァアアア!!」

「!!」

空耳・・・じゃない。
確かに自分を呼ぶ声。

また聞こえた・・・
聞き間違えるはずがない。


だって、それは一番聞きたかった声だから。

そして、それは一番聞きたくなった声だから。

ルーシアの前に一番会いたかった・・・
そして一番会いたくなかった少女が立っていました。

それはふしぎ星のルーナ。
それはふしぎ星のうさぎ姫。

でも・・・

「・・・その姿・・・なに?」

ルーナの姿は変わっています。
ルーシアが最後に見た姿は涙と泥でボロボロのルーナ。
でも、今はまるで変身したふたご姫のように神々しさ。

「なるほど・・・そういうことね。ソレイユベルめ。」

ルーシアは思います。

ソレイユベルったら・・・
ふたご姫が使い物にならくなったと判断したのね。
だから、ルーナにユニバーサルプリンセスの力を授けて・・・
ふふふ・・・自分の身がそんなにカワイイのかしら。

「あら、ルーナ?どうしたの?綺麗なドレスね。」

先程まで胸の想いは、気取られまいと押しつぶしました。
そして装うのはいつもの自分。

「ふふふ・・・そんな姿で何をしに来たの?」
「・・・」
ルーナに言葉はありません。

「その力で私をやっつけにきたのかしら?」
「・・・」
「それとも光で浄化しちゃう・・・とか?」
「・・・」
「あらあら、だんまり?私、忙しいから困っちゃうわよ?」
人差し指を右手に当てつつウィンクを送ります。

その間にも思考を巡らせます。

グランドユニバーサルプリンセス・・・か。
厄介な力だけど・・・大丈夫。
ふたご姫を解析して、その力については大体わかってるもの。
厄介なのは浄化の光、ね。
大丈夫。なんとかなるわ。
そうね・・・
まず、ルーナは1人よね。
それに、ふたご姫より魔法の力も弱いだろうから・・・

「ルーシア!」
「え・・・ええ、なに?」
思考の途中に虚を突かれ、ルーシアも少しばかり驚きます。
でも次の行動は、さらにルーシアを驚愕させるものでした。

「え、なっ!?」

ルーナは変身を解きました。

グランドユニバーサルプリンセスの姿から普通のルーナの姿へ。
片方の靴は無く、制服はドロドロ。
それは、ホワイト星からルーシアに追い出された時の姿のまま。

どうして・・・何を考えているの?
グランドユニバーサルプリンセスなら私に勝てるかも知れないのに・・・

真意を読めず、様子を伺うルーシア。
変身を解いたルーナは・・・
小さなうさぎ姫は大きく息を吸いこみ、そして、ひと言。
たくさんの想いを込めたひと言を伝えます。

「一緒に帰ろう!!」

そして、右手を差し出します。
ルーシアに向けて。

あまりのことで、手を差し出された方はしばし思考停止。

少しの間、唖然としていたルーシア。
でも、ふと我に返ると笑い出しました。
呆れ果てて。

「ふふふふ・・・本当に・・っぷ・・貴女って・・・ふふバカなのね!」
お腹を抱えて笑います。

「さっき泣きながら私に追い払われた時と同じじゃない?」
「ううん。違う。」
「違わないわよ。ふふふ・・・ほんとに、帰ってどうするの?」

笑いを堪えながらルーシアは問い続けます。
「まさか?本当に公開処刑をするのかしら?」
「・・・」
「ふふふ。誰かに言われたの?」

ルーナはゆっくり首を振りました。
「ふ~ん・・・じゃあどうするのよ?」

その言葉にルーナは真剣な顔で答えました。
「一緒に帰ろう。そしてみんなに謝ろう!!」

「・・・は?」

ルーシアの顔から笑みが消えます。

「さっき、私はルーシアに帰って貰うことばかり考えてた。」
「・・・」
「でも、それって貴女の言う通り、やってもらうことが前提の考えだね?」
「何が・・・言いたいの?」

うつむき気味だった顔を上げ、はっきりと言葉を紡ぎます。
「私はルーシアと一緒に帰りたい!それが私の願いなの。」
「・・・」
「そしてみんなが許してくれるまで・・・私、謝る。」
「なに・・・?」
「ずっと一緒に・・・ずっと側で・・・」
「・・・」
「謝るよ、ルーシアと一緒に!」


迷いも揺らぎもないまっすぐな言葉。

「ふ・・・ふふ、何を言ってるのよ・・・」
「・・・」
「そんなことで許してくれるワケないでしょ?」
「・・・」
「そんなことで、誰がなっとくするのよ?」
しかし決意の表情は変わりません。

そんなルーナの姿に苛立ちが最高潮に達しました。
「いいかげんにしてよ!何なのよっ!?」

ルーシアの感情が爆発します。
「バカよ、バカ、本当に大バカだわ!」
「私がどんなことをしてきたか知っているの?知らないでしょ?」
「知っていたらそんな顔できない、そんな事言えないわよッ!!」
「謝るですって?」
「はっ!無知だから笑える貴女たちに・・・何を笑っているの?」

ルーシアの見せた怒りの表情。
それを見たルーナは、不思議と微笑んでいました。

「どういうつもり!?ふん、さっきまでの当てつけかしら?」
「ううん。・・・嬉しいの。」
「は??」
笑顔の理由001.jpg

想定外すぎるルーナの言葉。
ルーシアには意味がわかりません。

「だってルーシア・・・私に初めて想いをぶつけてくれてるもの。」
「え・・・」
ルーシアはハッとした表情になります。

「ルーシア、言ったよね?」
「なに・・・を・・・」

「私たちは無知だから笑うんだ、って。」
「そうよ・・・貴女達はひみつ星の者達の苦労を知らないから・・・」

「・・・うん。知らなかったし考えたこともなかった。」
「ふ・・・ふふふ、そらみなさい。」

「私たちのハッピーの裏で頑張ってくれている人たちいる。」
「それがひみつ星よ・・・」

「うん。そんなことを知ったら、無邪気には笑えないよね・・・」
「そうね。」

ルーシアは勝ち誇ったように言います。
「あなた達は欺瞞に満ちた世界に生きているわ。」
「・・・うん。そうかもしれない。」

「私はね、そんなあなた達に真実を教えてあげようとしているの。」
「でも、ルーシアは大切なことから目をそらしている!!」
「・・・なんのことかしら??」

「私、笑うの。」
「・・・そう。それは貴女が無知でひみつを知らないからよ。」
「うん。でもね、私が笑うのには他にも理由があるの。」
「他に理由?」
ピクリとルーシアの肩が動きます。

「他の笑う理由・・・そうね。そんなの無知だからよ。貴女が。」
「私ね、感謝する時に笑うの。」
ルーナはまっすぐに親友を見つめます。

「ありがとう。その想いを込めて笑うの!」
「・・・」
「ルーシアにたくさんのありがとうを伝えたいから・・・」
「・・・」
「だから、私、笑えるの!!」

ルーナは笑いながら泣いていました。
大粒の涙がこぼしながら、それでも笑顔でした。

「ルーシア、大切なことから目を背けてるよ!」
「・・・」
「ハッピーを感じるのって、人の不幸の上ばかりじゃないもん!」
「・・・」
「感謝の気持ちで自然と笑顔がこぼれることもあるもん!」

泣きながら必死に訴えるルーナ。
その姿を見つめてルーシアは想いを巡らせます。

そう・・・そうなの・・・
そんなこと分ってる・・・知ってるいるわ・・・

それでも頑なまでに譲らないのは、ひみつ星のみんなのため。
いいえ・・
ひみつ星のプリンセスなんかに生まれた私のため。
たんなる私自身のエゴなのよ・・・
そんなこと解ってるの。

当り前じゃない、そんなの。
人が笑うのは、無知だからじゃないことくらい。
ハッピーになるのはや他者の不幸の上じゃないことくらい。

でも・・・それでも・・・
宇宙のハッピーのためにひみつ星の人は頑張ってるの!!
今も、誰にも言わずに頑張ってアンハッピーを集めてるのよ・・・
ソレイユベルが幸せの鐘を鳴らすその後ろで。

それを誰も知らないなんて・・・悲しすぎる。
誰からも感謝されないなんて・・・辛すぎる。

「ルーシア・・・」
「―っ・・・」

名前を呼ばれて、ルーシアは顔をあげました。

「私、絶対あきらめない。」
「・・・」
「何度ルーシアにたたき落とされても、また飛んでくる。」
「・・・して・・・」
「ルーシアと一緒に学園のみんなのところへ帰るまでっ!」

「・・・どう・・・して・・・」
「・・・。」
「どうして・・・」
「ルーシア・・・」
「どうして貴女はそこまで私にこだわるのっ!!」

涙をこぼしながらも頬笑みを湛えたルーナは言います。
「決まってるよ。」
「・・・なに・・・が?」

「ルーシアが私の親友だから。私がルーシアを好きだから。」
「―っ!?」
「それだけ・・・それだけだよ?」

そう言った後、ルーナは首を振ります。
「ううん。それだけしかないから、私・・・」
そして、頭を下げます。

「ごめんね・・・ルーシア。私、馬鹿で・・・」
「・・・」
「何も知らなくて・・・誰かに甘えばかりで・・・」
「・・・」
「ごめんなさい。」
「・・・ルーナ。」


「だから!だから・・みんなが許してもらえるまで、謝るね。」
ぽろぽろとこぼれるルーナの涙。
「ルーシアと一緒に謝るから!」

「あなた・・・」
「え?」
「あなた・・・本当に・・・バカね。大バカだわ・・・」
「うん。ごめん。ごめんなさい・・・ううごめんなさい・・・」

そう言いながら、ルーシアは寂しそうに笑いました。
そして左手をルーナに向け・・・大きく振りかぶります。
手から伸びる青い光の軌跡・・・

「ルーシア・・・」
ルーナは袖で涙をふき、青い剣を構えました。

それはプレッツェルから引き継いだ想いのカタチ。
自分のハッピーベルンと共に携えてきた皆の気持ち。

「―ッ!!」
言葉なく、ルーシアは一気に光を振りおろしました。
ルーナに向けて。迷いなく。

一方のルーナも・・・
そう、ルーナも恐れることなく一気に間合いを詰めました。

それはまるでフェンシングの突きのような鋭い動き。
必ずルーシアを止める。
そう約束をした―
ルーシアと双子のイーヤオの見せた動きのように。

想いと想い―
すれ違う瞬間―

届け、私の想い!.jpg


ああ、そうか・・・


そうね。
当たり前よね・・・

私なんかが勝てるはずない。
勝てるはずなんかないの・・・

だって、この子は・・・ルーナはバカなんかじゃないもの。
純粋なの。すごく奇麗で。

あまりにもまっすぐで―
透明で―
きらきら光る硝子みたい透き通っているの。

純然たる光輝きなの、この子。

ずっとこそこそ生きてきた私が勝てるはず・・・ないわね。
そんな道理、どこにもないわよね。
バカなのは・・・私よ・・・
ほんと・・・馬鹿。


もう、ルーシアにルーナを退ける力もありませんでした。
そんな意思もありませんでした。
はじめからなかったのです。
ルーシアの声を聞いたあの時から・・・もう・・・

最後に見せた頑なまでな必死さ。
それは不器用なルーシアのひとかけらの意地。
崩れ落ちそうになう自分を必死で我慢するための一途さ。

ルーナの剣がルーシアの光の剣を砕いた瞬間。
花ふぶきのように飛び散る青い光の断片・・・

それは、ひみつ姫の頑なまでに閉じた心の扉を―
うさぎ姫の頑なまでに純粋な心が開けた瞬間でもありました。

ペタリと座り込むルーシア。
ルーナが悲壮な表情で駆け寄ります。

「ルーシア、ああ・・・ルーシア大丈夫!?」
「ふふふ・・・貴女、私を切ったわけじゃないでしょう?」
「え・・・ええ、うん。」
「だったらケガなんかするはずないんじゃない・・・」
「あ、うん。そっか・・・そうだね。」
「ふふ・・」
「えへへ・・・へ?」

涙の果てに笑いあえた。
喜びがルーナの胸から溢れます。

そんなルーナの心のように薄暗かった空が朱色に染まります。
「!!」
「なんだろう?朝?急にどうしたのかな??」

その変調は星同士が近づきすぎたせいでした。
ホワイト星は―
この星は―
完全にロイヤルワンダープラネットの引力下に入ったのです。

「いけない・・・!!」
「え?ルーシきゃっ!!」

ルーシアはルーナを抱きしめました。
「ルーシア・・・痛い・・・痛いよ・・・」
「我慢してっ!!」

もう、ホワイト星の動きを止めることなんてできない。
私の魔法の力じゃもうとうて無理よ。

なんとかして守らなきゃ・・・
ルーナだけは・・・守らなきゃ・・・だってこの子は・・・
この子は・・・
私のことを友達って・・・
親友って言ってくれた最初で最後の人だから!

「ごめんなさいね、ルーナ。貴女だけでもなんとかするから。」
「ルーシア・・・」
「ちょっとの間我慢していてね、いい子だから・・・」
「大丈夫・・・大丈夫だよ?」
「・・・それ、どういう意味??」

ルーナは安心しきっているようでした。
それどころか表情には自信さえ見え隠れします。

この子・・・今の状況が解らないの??

ルーシアには理解できません。
どうしてルーナが平然としていられるのか。
一体何を信じているというのか・・・
それよりも、魔法の力でルーナを―

「ルーシア!私たちの友達はいっぱいいるんだよ!」
「何をこんな時に!?」
「信じられる人はいっぱいいるんだよ!」
「だから何が言いたいの!?」

「そしてその人たちも私たちを信じてくれている・・・」
「誰が・・・何のこと・・・?」
「大丈夫だよ。」

笑顔のうさぎ姫。
きょとんとするひみつ姫。
その瞬間でした。

「ファラリラ!!」
「ララリら!!」

「!!」
「・・・よかった・・・ファインさん・・・レインさん・・・」
星の落下が止まります。

「間に合ったみたいね?」
「良かったわ・・・ルーナ!」
これほどの質量を止める膨大なふたご姫の魔法の力。
それは2人だけの力ではありません。
信じてくれる人がいるから。
信じられる人がいるから。
だからこそ溢れる、ふたご姫の力。

そして、ホワイト星はゆっくりと元の場所へ戻っていきます。

「ふふ・・・早いわね・・・」
「ルーシア?」
「私なんか考えていた以上にずっと・・・」

ルーシアが描いていたふたご姫の復活予想時間。
それよりもずっと早く、ファインとレインに心が戻ったのでした。
それはきっと・・・
ルーナの強い想いがふたご姫を揺り動かしたからでしょう。

「終わったわね・・・」

ルーナを放して、ルーシアは力なく腰をおろしました。
そのまま手を額に当て煽り見る空。
その色は夜明けのように暗がりが白んでいきます。


虚脱感。
それに反応して、使い魔たちも朝霧のように消えていきました。
ロイヤルワンダー学園も使い魔から開放されます。

諦める・・・しかないわね。
何もかも終わり。

ふふ・・・どうやって幕を引けばよいのかしら・・・

悲壮感漂うルーシアの手の上にルーナの手が重ねられます

「・・・ルーナ?」
慈しむように親友に言葉をかけるルーナ。

「帰ろう・・・みんなのところへ・・・ね?」

しばしの間を開けて、ルーシアは弱々しく頷きました。
もう、ひみつ姫に選択肢は残っていなkったのですから・・・

☆★☆エピローグ★☆


扉から響くノック。
「ひみつ星のルーシアです・・・」
「ウム。入りたまえ。」

学園長室。
学園長・・・もと学園の教頭先生に呼び出されたルーシア。
その表情は少し緊張の色を帯びています。

今回の事件の中心。
そのあまりにも大きな厄災の元凶であるのだから至極当然。
その罪は軽いものであるはずはないでしょう。

今回の事件の首謀者として、
ルーシアにはお達しが言い渡されることになったのです。

「そうね・・・覚悟はしているわ。」
「そうか。それは殊勝な心がけだな。」
「ええ。どんな刑にも依存はないわ。」
「では今回の事件の首謀者にお達しを言い渡す。」

学園長は、ひょろりとした教師とふとっちょの教師を傍らに、
仰々しくゴホンと咳払い。

宇宙警察に引き渡されるのか。
或いは、極刑か・・・
どちらにせよ学園は退学ということに変わりありません。
ふと、ルーナの悲しむ顔が脳裏をよぎります。

あの子・・・どんな顔するかしら・・・
自分の進退よりも、ルーナの悲しみが苦痛に思えます。

「ひみつ星のルーシア。1年の留年を言い渡す!」
「そう・・・そうね。1年の・・・って、はぁ?

普段マイペースなルーシアが崩れるほどの強烈なインパクト。

今回の一連の事件のルーシアの罪。
それは1年の留年。
全宇宙を混乱させたのにあまりにも軽すぎるものと言えます。

私の行為なんて・・・歯牙にかけるものでもないということなの??
今までの私の長い生ってなんだったの??
ルーシアは真剣に悩んでしまいます。

ルーシアは学園長に問います。
「・・・ねぇ、どういう意味かしら?」

ところが、学園長はヒゲを撫で、窓から空を眺めるばかり。
「ん・・・さぁ。私は決まったことを伝えただけにすぎないが、ね。」
そう言ってニヤリと笑います。

そして反対にルーシアに質問を投げかけてきました。
「ルーシア君。」
「・・・なにかしら?」
学園長はルーシアに向き直って問います。
「私の笑顔も・・・無知からくるものだろうか?」
「・・・」
「感謝の想いのない笑顔だろうか?」
その表情は真剣そのもの。

しばしルーシアは考えていましたが・・・
でも、優しく首を振って答えました。

「そうね・・・素敵な笑顔だと思うわ。」
「そうか、いや、そうだな。ありがとう。」
「今の笑顔なら、ホワイト学園長の心もゲットできるかもね。」
「なっ!!ほ、ほんとうかね!?」
「たぶん・・・って聞いてないわね?」

ルーシアの言葉に大喜び学園長。
叫びながら喜び跳ねる姿はあまりにも大人気のない姿。

「やっぱり無知ね、その姿・・・私、もう行くわ。」
呆れて出ていくルーシア。

それでも、出かかりにつぶやきます。
「無知だけど、純粋ね。・・・嫌いじゃないわよ。」

「ルーシア~!」
廊下を抜けて、中庭に出た時。
そこにはルーナを始め、多くの生徒たちがいました。
皆、ルーシアのことを心配して集まっていたのです。

「どうだったの?大丈夫なの?」
「ええ。呆れるわよ?」

留年1年。
申しつけられたのは、ただそれのみ。
生徒たちに広がる安堵の表情。

ルーシアはそんな生徒達の笑顔を見て、噛みしめました。
ハッピーの意味を。
笑顔の意味を。
なぜなら、今、とても嬉しいという感情が胸にあるのだから。

「良かったね!ルーシア。」
「本当に。」
「ふたご姫・・・ファイン・・・レイン・・・」

ふしぎ星のふたご姫。
今では体調もすっかり良くなた様子。
いつも通りの元気な笑顔を振りまいています。

敵わなかった。私では。
・・・ま、それでよかったのだけど。

「ルーシア?」
「ま、下らないことだけど、一緒に卒業はできないみたいね。」
「下らなくなんかない!すっごく大切なことだよ。」
「ルーナ・・・」

確かにそうかもしれない。
ルーナが、ファインが、レインが、みんなが
居なくなった学園に、1人残るのだから。

「仕方ないわよ。それが私の罪滅ぼしなのだから。」
「でも・・・」
「あのね・・・考えてみて?」
「え?」
「あなた達が卒業したって、学園がカラになるワケじゃないでしょ?」
「あ・・・そうだね。えへへ。」
「まったく。呆れるわね。でも、ま、これでいつも通りかしら。」

また、退屈の無い日々が始まる。
「ううん。ルーシア、大切なこと、忘れてるよ!」
「何が?」

ポム

ルーシアの頬をルーナが打ちました。
といっても、それは撫でるように。
頬をバシっと張る!・・・と言うには、あまりにも遠いもの。

そもそもルーシアの方がずっと背が高いのですから。
力一杯叩けるものではありませんし・・・

「!?」
「みんなに・・・謝らなきゃ!ちゃんと・・・謝らなきゃ。」

ルーナは目に涙を溜めながら言います。
そう、それは2人の約束だったから。

「そうね・・・そうだったわね・・・」
ルーシアは少しうつむき加減に呟きます。

「でも・・・」
「!!・・・ルーシア?」

顔を上げるひみつ姫。

「でも・・・でも・・・」

瞳からこぼれる一粒の涙。

「でも・・・まず・・・ルーナに・・・」

そして、とどめなく涙は溢れ、
あとから、あとから、頬を伝い落ちていきます。

「ルーナに謝らなきゃ・・・」
「ルーシア・・・」

それはひつみ姫ルーシアが抑えてきた感情。
ひみつ姫のひみつ・・・素直な気持ち。

「ごめんなさい・・・」

「・・・うん。」

「いっぱい・・・いっぱい・・・心配かけてごめん・・・なさい・・・」

「・・・うん・・・」

ルーナの瞳からも溢れる涙。

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

ルーシアは涙は止めることができませんでした。
でも、それは我慢しなくてもよいことだから・・・

ひみつ姫のひみつの扉は開かれたのです。
純粋なうさぎ姫のもつ鍵で。

「ルーシア!!」

ルーナはひみつ姫を抱きしめました。
ルーシアも力強くうさぎ姫を抱きしめます。

ルーシアの涙。

ひみつ星のひみつをみんなが受け入れてくれたこと。
なぜ、ひみつ星の人々が辛い仕事を頑張っていたか。
それが今やっと理解できました。

自分のやることが必ず大勢の幸せにつながっているということ。
それを知っていたからこそ笑顔でいられるといことを。

そして宇宙の人々も新たにしたのでした。
人に感謝するという、あまりにも単純で当たり前だけれど、
本当に大切なことの意味を・・・
笑顔でいることの大切さを。
それこそがソレイユベルが奏でるハッピーなのだから。

それをルーナのぬくもりから理解したルーシア。
だから、今日からひみつ姫の新しい学園生活が始まるのです・・・
ひみつを無くすという目的以外の新しい生活が。


☆★☆~あれから~☆★☆


「アスリ、今日部活、どっちにいくんだ?」
「・・・バレー部。」
「ええー!?またかよ~。」
「もちろんよ。だって・・・ね。リオーネ♪」
「へ?あ・・・う、うん。そ、そうだね。」
「ちぇ。ま、いっか。じゃ、ファイン、行こうぜ!」
「うん。」
「あ~。カロリ~、今日応援行くねぇ~。」
「お!また頼むぜハーブ、ローズマリー!」
「ええ。B組のシャイン達もさそうわね。」
「すみませ~ん。リオーネさん、いますか~?」
「あ、ナッチ。どうしたの?」
「レインさん、リオーネさんは・・・」
「えっと・・・あれ?ファインとさっき部活に行ったみたい。」
「ええ!?そんな・・・今日こそバレー部に連れて行ってもっ!?」
「ちょっと!ナッチ!ダンス部の練習始めましょうよ!」
「うわぁ!トロワさん!?いつからそこに!って、絶対イヤ!!」
「今日こそプリバウワー3回転半アクセル、決めるわよッ!」
「1人でやってください~!」
「逃げないで!!1人じゃハートの形にならないでしょ~!!」
「お~・・・元気じゃのう。」
「やかましいだけですわ。エリザベータ様。」
「そうですよ。それよりもお茶を・・ってファンゴ!」
「ん・・・ああ?」
「勝手に飲まないでよ!!」
「シャシャさん、今日もお美しい・・・」
「うるさい!今忙しいの!あっち行ってなさいよ、チビメガネ!」
「・・・ああ。そんな風に怒っている姿も素敵です。」
「・・・蹴るわよ。蹴るわ。ええ。蹴るからね!」
「うお!痛いけど気持ちEー!」
「おでーん!人口おでーん!」
「ちょっと、B組の人たちうるさいわよ?教室に戻りなさい。」
「んまっ!生徒会長だからってぇ!小さいのにぃ!」
「ブリンク、なんか上からだよ?その言い方。」
「・・・いつも・・・」
「なんですってぇ!もう怒ったわぁ!レイン、今日こそ勝負よ!」
「・・・は?ええっと・・・どなた様でしたっけ??」
「きー!!ブライト様を巡る恋敵を覚えてないなんてぇええ!!」
「えっと???ええ??恋敵!?」
「ふぅ・・・いつもいつもあきませんわね?この学園の生徒は。」
「あらアルテッサ、知っていて?」
「・・・何をですの?」
「私たちもこの学園の生徒よ?」
「・・・・知ってますわよ!!このお気楽娘!!」
「をを!なんつー鋭いツッコミや!それや!それなんや!!」
「だー!!わたくしはツッコミなんてしてません~!!」
「なんでやねん~!!」
「ソフィー!いらない事を言わないでよ!!」
「えっぐえっぐ、ケンカはやめようよぉ!」
「シェイド、いいのですか?このままで?」
「触らぬ神になんとやらだ、ソロ。」
「はぁ。」
「ならばこッ」
「この学園に静寂なんて必要ないっ!!」
「~っ~っ(泣きながら裾を引っ張る)」


「・・・相変わらずよね?ほんと。」
「あははは・・・」
「でも・・・」
「でも?」
「そうね・・・ひみつ。」
「もぅ。また、ひみつなの?」
「さぁ、行きましょうルーナ、ロロア。部長が拗ねるわよ。また。」
「うん。」
「ナッチは・・・これそうに無いわね~。今回も。」
「そ、そうだね。」

「あ・・・」

グランドに出て見上げると、空は雲ひとつない青空。
どこまでも深い、果てしなき碧。

深呼吸をひとつ。
今、自分がこの場に立っていることの実感。
・・・今、私はここにいます・・・

「あら?どうしたのルーナ?」
「え?あ・・・うん。えっとね・・・」
「ええ。」
「・・・ひみつ。」
「それ、私のでしょ!!」
「えへへ~。いいじゃない♪」
「待ちなさい!ルーナ!!」
「こらぁ~!ルーナ、ルーシア、ロロア!!遅いじゃない!!」
「うあ・・・部長、怒ってる・・・」
「また拗ねるわよ。子どもみたいに。早く行きましょ。」
「うん!!」

「ルーシア!」
「なに?」
「手、つないで行こう!」
「・・・ぷ。いいわよ。」
手、つないでも・・・いい?.jpg

「早く来いィ~!!」
「はぁ~い!!」


☆★☆☆★☆☆★☆


学園の勉強でずいぶん字が書けるようになりました
色々なことを学びました
新しいことを知る毎日です

むずかしいこともあります
つらいこともあります
泣きたくなることもあります

でも、私には友達がいます
ファイン様やレイン様
ナッチやロロアや・・・それにルーシア
みんなと一緒にいれば、私、どんなことでも平気です

今はもうラビ族の耳は隠していません
キャンディであることも皆さんに話しました
それでもみんな、私のことをルーナと呼んでくれます
・・・うれしかった

今度の連休にいちどふぎし星に帰ります
たくさん話したいことがあります

お母さん、お父さん

いろんなことがあったけど
私、この学園に来て、今、キャンディは・・・
ルーナは幸せです!!

☆★☆ふしぎ星のふたご姫☆★☆ おわり☆★☆


長いですね。
長すぎます。
自分でも呆れます。
2週間分だし・・・(涙)

誰向けなのでしょう?誰向けでもないのでしょう。
意地だけで続けてきました。・・・本音です。
でも、やり通してみたかったのも本当の気持ち。
自分が一度決めたこと。
妄想を綴るという行為を。

足かけ数年。
稚拙な文章、情けない図絵。

一体どれほどの人の目に留まるものなのでしょう?

それはわかりません。
でも、今までできなかったこと。
それをこのブログという存在に通すことが出来ました。
ひとえにそれは、
このような駄文に返信を下さった心広き方々の存在故。
そして、読んで下さる奇跡のような方々がいると信じてのこと。
世界に伝われ。
私はここにいます-

これでふたご姫GYUという媒からで妄想した物語・・・
それらは一応の終息となります。
学園に残ったルーシアと剣舞部その後は?
も実はあったりするのですが・・・
それはあまりにふたご姫とかけ離れたもの故。

とにわかくにも、
ここまで呼んで下さった御仁にはひと言伝えたいです。

・・・ありがとうございます。本当に。

・・・い、いればですけど。

さて・・・これから土曜日の更新はどうしよう(汗)。
ま、とりあえずは、ふしぎ星のふたご姫、永遠なれ~(え~!?)。

さぁて、今週のトロワエトワールさんは・・・(は?) [ふたご姫妄想戦記]

ひみつ星のプリンセス.jpg


すんません。
ごそごそしてて・・・
出向ですので来週に更新。
・・・予定(涙)

ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(2) [ふたご姫妄想戦記]

土曜日です。
土曜日になるとふと更新されるようなふたご姫関係駄文。
先週は出向のために急遽お休み。
・・・2週間空くと気が楽あわわ。

実際、ふたご姫の1作目はほぼ見ておらず、
そして実はあんまり興味もなかったというワナ。
それなのにふたご姫の妄想駄文を必至で創っている不思議。
これはひとえに、
「土曜日に更新する」という強い意志(強迫観念)によるもの!
・・・涙でそう。

なので正直1作目のキャラのことはワカンないです。
グレイス様とか・・・どんな人だったのか(見ろよ!)。

それはさておき、終章第2話。
物語はいよいよ核心へ!
・・・この話しの核心ってなんだろう?(ちょ!)

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)

ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(2)

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆


☆★☆あらすじ☆★☆

ひみつ星のプリンセス・ルーシアによって、ロイヤルワンダー学園に戻されたルーナ。ただ泣くばかりであったけれど、ふしぎ星の皆をはじめとした生徒たちの励ましによって、今成すべきことに気づき始めたのでした・・・・

→前回 ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(2)

☆★☆第3章 ふしぎ星のうさぎ姫☆★☆


私はもう終わりだと思っていたのに・・・
失敗した私を誰も許してくれないと・・・
なのに・・・
なのに、この人たちは誰もあきらめてない。
こんなに大変な状況なのに、笑顔でいる。
私は泣いてばかりなのに。

ルーナは混乱していました。
もうだめだ、とあきらめていたのは自分だけ。

まだ終わっていない。
チャンスがあると。
本当に・・・そんなことが・・・??

ルーナはまだそんな気持ちが理解できずにいました。
自分と会えば、ルーシアは悪いことなんてやめてくれる。
そんな気持ちはいとも簡単に裏切られたという現実。

ルーシアにボロボロにされて追い返されて・・・
そして泣いて、ひとり絶望して。
きっと、自分の姿を見れば、誰もが同じような気持ちになる。
そんな風に思いこんでいました。

でも、そんなことはありませんでした。

ルーナの姿を見ても、みんなはあきらめるどころか、
また頑張ろうと励まします。

ルーナは、そんな強さにただ唖然とするばかりでした。
どうして、そんな考えになるのだろう。
どうして、そこまで強い意志を持てるのだろう。
ルーナにはまだ解りませんでした・・・


「ほっかむり!」
「トレミーさん・・・」
口の悪いぐるぐるメガネをかけた背の低い男子生徒。
ズンズンとルーナに近づいてきます。

「ロケットは!?」
「あ・・え・・・すみません。たぶん・・・壊れました。」
そう言ってルーナは下を向きます。

「爆発とかしたのか!?」
「は?え?・・・いえ。地面に突き刺さって・・・」
「じゃ、一応着地はしたんだな!」
「へ・・・ええ・・・そうなります。」
「部長!」
「うん。さすが我が部のエコロケットだ。」
「おでーん!!」
「・・・は?」

ロケットが壊れたことは良いのかな?
ルーナは怒られるものと思ったいたのに、
科学部部員は喜んでいます。
なんだか肩透かし。

「科学とはね?」
科学部の部長が顔を近づけて言います。

「ひっ!か、顔近いです!」

「失敗の連続なんだ。そうして前に進むものなんだ。」
「失敗の連続・・・」
ルーナは身体を科学部部長からだいぶ離して反復します。

「ああ。それより、君にケガがなくてよかったよ。」
「・・・・」

「おでん!おでん!人口おでぇん!」
「・・・えと・・・その・・・」
大きな体をゆらしながらまくし立てる科学部の部員。
でも、何を言っているのかさっぱり分かりません。

「ロケットはまた作れるから・・・あきらめない限り、だって。」
「え・・・シャインさん、解るんですか?」
「うん。カント君とは幼馴染だから。」
「そ、そうですか・・・」
ひかり星のプリンセス・シャインはこの言葉を通訳できるようです。
人には色々な特技があるもの。

「あんたねぇ!」
「え・・・」
「勝手にあきらめたりしないでょぉ!」
「ブリンク、また上からだよ?その言い方だと。」
「いいのよぉ、シャイン!」

いきなりルーナの傍ににじり寄ってきたその女子生徒、
ブリンクは目にうっすらと涙を溜めながら叫びます。
「一度や二度の失敗では諦めないでよぉ!!」
「・・・でも・・・」
「でももヘチマもないのぉ!」
「重要なのは・・・気持ち・・・」
「えっ?」

いつの間にそば来たのか。
覗き込むようにルーナにささやく女子生徒。
シャイン、ブリンクと同じひかり星のプリンセス・グリタ。
グリタの言葉をルーナは噛みしめるように呟きます。
「気持ち・・・」
「・・・そう。」
言葉少なめにグリタは頷きます。

気持ち・・・
それは、解ります。
あきらめたら、そこで終わりだってことくらい。
でも・・・

それでも、簡単にはルーナの気持ちの整理はつきません。
ルーシアを一体どうしたら止められるのか。
どうしたらこんなことをやめてもらえるのか。
その答えは見つからないままだから。

「なんかさ、らしくないじゃん?」
「フーカさん・・・」

言葉の主はアイドル星のプリンセス・フーカ。
フーカは座っているルーナの肩に手を回して言います。
「思い出してみてよ。いつもの自分、ね。」
「いつもの・・・私・・・」

「そうだよ。」
「・・・」
「いつもなにかにぶつかって、でも笑顔だったあなたを。」
「!!」
「そうですわ。怒りっぽいフーカを穏やかにした笑顔を。」
「そうそうできるもんじゃないわよ?私たちも苦労してるもん。」
「ちょっと、変なこと言わないでよ、オウカ!カスガ!」

いつもの私・・・
ぶつかって、転がって・・・
でも、私は前に進んで・・・

どうして?

それは・・・

だって、いろいろなことを学びたかったから。
だって、いろりろな人が教えてくれたから。

転んだ時は、いつも誰かが手を差し伸べてくれた。
ルーシアが・・・そうだ、ルーシアはいつも私を立たせてくれた。
笑顔で。

そうか・・・
だから私も笑うんだ。
笑えるんだ!!

ルーシアの本心を知らないから笑えたの?
・・・違う。
そうだ。
感謝をするから笑うんだ・・・
ありがとうの想いを込めて。

ルーナはハッとして表情で顔をあげます。
大切な何かに気付いたから。

私・・・そうだ・・・
ルーシアにまだ伝えていないことがあった。

モヤモヤしていて、はっきりと判らなかった・・・
でも、それが今、霧が晴れたように解ったから。

伝えなきゃ。ルーシアに!!

ルーナは涙で濡れていた頬を拭います。
そして、ゆっくりと立ち上がりました。

「やっとですわね?」
「ルミネさん・・・」
「立ち直るの、少し時間かかったようですけれど。」
そういって生徒会のルミネは肩をすくめました。

「みんな、いつかは通る道アルよ。」
「マフィンさん・・・」
「迷って、でも進んで、そして何かを得れるの・・・アル。」


立ち上がったルーナは回りを見渡します。

ルーシアに追い返されて、ただ泣いてばかりいた私。
そんな自分を励ましてくれた学園の生徒たち。
その信頼に応えなきゃ。
そして、私もみなさんを信頼しなきゃ!

「あの、みなさん・・・ありがとうございました!」
ルーナはそう言ってお辞儀をしました。
めいっぱいの感謝を込めて。

「ルーナの耳っていつも垂れているんじゃないのね?」
「え・・・」
先ほどまで片方が垂れていたルーナのうさ耳。
今は両方ともピンっとまっすぐ。
言われるまで気づきもしませんでした。


「よし。ルーナ君、もう大丈夫みたいだな。」
「トーマさん!」
副生徒会長はここぞとばかりに声を張り上げます。
「この学園にあきらめる心は必要ないっ!!」

そうだ・・・
まだ終わっていない。
だって、私はあきらめてないから!
ルーナはやっと気持ちを切り替えることができました。
多くの学友に支えられて。

どこの国のプリンセスでもない自分。
でも、学園のみんなは変わりなく私に接してくれる。
その優しさがルーナを支えます。

「ふしぎ星のどの国プリンセスでもないなら・・・」
「へ?あ、シェイドさん・・・」
「うさぎ姫というところだな。お前のその耳。」
「うさぎ姫・・・ですか?」

うさぎ姫・・・うん!いいかも。

うさぎ姫は窓から空を見上げます。
そこにはホワイト星が見えました。

あそこには・・・まだルーシアがいる。
私・・・いかなきゃ!

☆★☆第4章 その輝きはトロワエトワール☆★☆


でも、ルーシアの言葉も思い出されます。

貴女はなんでも人にやってもらって当たり前に思っていると。
確かに、自分はそんな風に甘えているかもしれない。

今だってそうだ。
私はひとりで立ち直ることなんてできない。絶対に。
やはりルーシアの言う通り、甘えているだけなのかな・・・

「うむ。こういう時は唄じゃのぉ!」
「・・・唄?」
ルーナの悩みもどこ吹く風。
エリザベータは急に歌い始めました。

「どうして・・・唄なんですか?」
「ああ。以前ね ―」

シフォンは言います。
それは、学園がブラッククリスタルキングに襲われた時のこと。

ファインとレインを励ますために歌った唄。
みんなで歌った唄のことを。
みんなの心が唄でひとつになったことを。

唄・・・?
そうだ。唄だ・・・
生徒達に唄が広がる中、ルーナは思い出していました。

それは以前のクラブでのこと。
歌の話しになって、急にふるさとの唄をせがまれたルーナ。

あまりにみんなが言うので・・・
しかたないので、ラビ族に伝わる田植の唄を歌ったあの時。
自分の唄を笑顔で聞いてくれたルーシアの表情。
・・・あれも演技だったの?

ううん、演技でも構わない。

ルーナは胸に手を添えます。

自分の心の支えになってくれていたのは・・・
何時でもルーシアやみんなの笑顔なのだから。

唄はいつの間にか合唱になっていました。
唄を歌うみんなの笑顔を見てルーナは思います。

ルーシアは解っていない。
ルーシアは笑顔が無知からくるものだと言った。
知らないから笑えるのだと言った。
誰かの不幸の上にしか幸福がないと・・・

違う。

笑顔にはもっと違うものがある
みんなのハッピーってそんなもんじゃない。

それを伝えなきゃいけない。
ルーシアに、私が伝えなきゃいけない!!

もう先ほどまで泣いて謝るばかりのルーナはいません。
自分がなにをするべきか・・・

いいえ。
そんな大きなことではありません。
自分が何をしたいのか、それがはっきりとしたから。
ただそれだけ。

「ルーナ、元気出たみたいね?」
「ナッチ!ロロア!」
「さっきからいたけど、泣いてばかりで気が付かないだもん。」
「あ・・・ご、ごめんなさい。」
「いいわよ。誰だって大泣きしたい時はあるわ。」
「・・・は、はぁ。」

ナッチの頭の上でロロアが悟りきったように言います。
たしかにその通り。
泣くだけ泣いたルーナの気持ちはすっきりしていました。

まずはもう一度ホワイト星に行く、ルーシアに会う。
そして伝えるんだ。
大切なことを・・・

「すまない。それがもうできないんだ。」
「え?」
ところが、ブライトが心底すまなそうに言います。

「ルーナ、外、見える?」
「ビビン先生!・・・外ですか?」
窓から外を見てみるとそこには・・・

「え・・・ああ!カタパルトが!」
「そう。あんたがホワイト星へ行った後も使い魔がすごくてね。」
「守りきれなかったんだ・・・」

みんなで作ったカタパルトはもう使い物になりません。
「もともと木製だし、1回以上の使用は無理よ?」
当たり前のようにシフォンが付け加えます。
「そうですか・・・」

「ほっかむり・・じゃねぇ、うさ耳。ロケットも無いんだ。」
「ロケットも・・・!?」
「ああ。制作には2週間はかかる代物だ・・・」
「そ、そうですか・・・」
さらに科学部のロケットもありません。

今、自分がするべきことがはっきりしたのに・・・。
なのにルーシアのもとに行く手段がまったくありません。

こうしている間にもホワイト星は進んでいます。
ソレイユベルめがけて。

一体どうすれば・・・
八方塞がり。
ルーナだけではありません。
流石に皆にも焦りの色が見え隠れえします。



「そうだわ、アルテッサ!」
「なんですの、ソフィー!何か良い方法があるんですの!?」
「ファインとレインにも聞いてみましょう。」
笑顔で手をポンと打ち鳴らすソフィー。

「あのね・・・それはちょっと無理なんじゃ。」
リオーネもあきれ顔で言います。
「そうかしら。ルーナはどう思う?」
「え・・・は、はぁ。」
急にふられても・・・とルーナも思います。

確かに今、ふたご姫は意識のない状態。
そんな2人にどうしろというのだろう・・・

そう思ってルーナはファインとレインを見つめます。

私のせいだ・・・
再び襲ってくる後悔の気持ち。
でも、今泣いていても仕方がない。
謝るのは、全てが片付いてから。

ひとこと謝らなきゃ。
ルーナは2人に近づいていきました。
目は開かれているのに、光が宿っていないふたご姫。

ファインさん・・・レインさん・・・
ごめんなさい・・・

「キュッキュッ!」
「ピュ~ピュ!」
「へ、きゃ!?」

ファインとレインのそばに寄ったルーナに、
いきなり何かがまとわりつきました。

「キュキュとピュピュじゃない!?」
「え・・・ファインさんとレインさんの天使??」

それはファインの天使キュキュとレインの天使ピュピュ。
でも、ハッピーベルンが折れた今、どうして存在できるの・・・
天使とベルンはリンクしていたのではなかったの??

ルーナは掌に2人の天使を招き入れます。
「ごめんなさい・・・貴女達の大切な人を私は・・・」

イイヨ

「!!」
それは声ではありませんでした。
もっと別の何か。
直接耳に届く美しい旋律のようなもの。

ソレヨリモ ―
イマ アナタニ デキルコトヲ ―

「今・・・私にできることを・・・」

ルーシアを止めたい。
でも、それはできることじゃない。
それは願望。

「私にできることって・・・」

ファインノ キモチ ―
レインノ キモチ ―
ミンナノ キモチ ―

カナエル タメニ!!

「私のベルンが・・・アンジェリカが光ってる!?」
ルーシア断ち切られたルーナのハッピーベルン。
それが光りを放ちます。
同時に、キュキュとピュピュも・・・

「あ・・・」

優しい光がルーナ達を包み込みます。
ルーナは目を閉じて、その光に体を委ねました。
そこで微笑んでいたのは ―

前に一度・・・
そう。
魔石でラビ族からヒトの姿になった時にも出会った笑顔。

今の私の願いはルーシアを止めること。
そして、みんなの願いは学園をソレイユベルを守ること。

だから私のできることは・・・

それは、みんなの願いを紡ぐこと。
ファインとレインの想いを継ぐこと。

それが私の願いを叶えることでもあるのだから。
それが私の大切な人を救うことになるのだから。

「そうですよね・・・グレイス様・・・・」
光の中、笑顔の主は優しく頷きました。

みんなの願いを紡ぐため ―
ふたご姫の想いを継いで―
大切な人を救うため ―
私 ―

光が少しずつ静まっていきます。
同時に、ルーナの姿がはっきりと見えるようになりました。
輝くドレスを身にまとい、
その背には光の翼。

それれはまさに、ファインとレインと同じ姿。
くグランドユニバーサルプリセンス。
でも、そのドレスは赤でも青でもありません。

ルーナの純粋な想いが具現化した姿。
だからグランドユニバーサルプリセンスピュア。

「ルーナが変身した・・・」
「まるでファインとレインみたい。」
「ロケットがなくても、その翼でとべるのか!?」

ルーナの背から広がる翼。
それは赤と青の光の翼。
ファインの明るさ。
レインの優しさ。
2人の想いを紡いで生み出したうさぎ姫の翼。

「これなら・・・この翼ならっ!!」
そう言って、講堂の外に走り出しました。

「ちょい待ち!」
「?」

決意のルーナを引き留めたのは剣舞部の部長 ―
「プレッツェル部長!!」
ルーナは嬉しそうにプレッツェルを見ます。

「そんなに焦らない!まったくアンタは・・・」
「は、はい。すみません。」

プレッツェルはじろりをルーナを睨みます。
それからふと表情を緩め・・・
「行くのね?」
「はい。でも、最後、とかじゃないです。」
「そなの?」
「もし、また戻されても、なんどでも私、挑戦します!」
「・・・そっか。アンタの剣舞と同じだね。」
「はい。」
ルーナはとびっきりの笑顔を向けます。

「じゃ、選別。」
そう言ってプレッツェルは得物を出しました。
刀身が透けるように青い剣。
それは ―

「これ、部長の宝物じゃないですか!ダメですよ!」
「最後じゃないんでしょ?」
「!!」
「じゃ、心配ないじゃん。」
プレッツェルは優しい表情でルーナを見つめます。
まるで母親が娘を見つめるように。

それから後ろを振り返って言います。
「フラン、ごめん。いいかな?あげても・・・」
プレッツェルが見つめる先には、剣の元の持ち主。
「ええ。」
フランと呼ばれた少女は笑顔で応えます。

「それは私が大切な人に託したものだから。」
「・・・うん。」
「その人が大切と想う人に託すのであれば・・・」
そして微笑みながら付け加えます。
「それは素晴らしいことだと思うの。」
「あんがと・・・フラン。」

「というわけよ、ルーナ。」
ああ言ってるし、ね。.jpg


そして剣をルーナの胸元に。
「あんたに託した。」
「・・・部長。」

「最初は面倒って思ってたけど・・・」
「・・・」
「最近楽しくてね、部長するのもさ。」
「・・・はい。」
「だから、部員減ったら困るのよ。」
「はい。」
「ちゃんと連れて帰ってくんの。2人とも私の可愛い部員だから!」
「ハイっ!必ず!!」

ルーナは剣を受け取り、抱きしめました。
信頼と責任。
それは暖かくも重いもの。

フランからプレッツェルへ。
プレッツェルからルーナへ。
強い想いは人から人へ。
今また、確かに引き継がれたのでした。

「部長・・・私・・・」
でも、もう残された時間は多くありません。

空に浮かぶホワイト星がとても大きく見えます。
もうどれほど近くに来ているのか・・・

重力の変動などはまだ感じることはありません。
でも、誰の目にも時間が僅かなことは明白です。

「だから・・・私、行ってきます!」

その言葉を最後に、勢いよく地面を蹴りあげ、
ルーナは空に舞い上がりました。

空なんて飛んだことなんてないけれど、
自然と体が動く・・・

身を任せてぐんぐんと空高く昇っていくうさぎ姫。
光の翼がはためくその後ろに描かれる光の軌跡。
使い魔はその前に次々と浄化されていきます。

生徒たちから歓声があがります。
でもルーナは振り返らず、全力で飛び続けました。

みんなの願いを叶えるため。
自分も・・・そして、もちろんルーシアの願いも。
そのために全力でホワイト星へ。

赤と青の翼の光―
純白の輝くドレス―
再びホワイト星を目指すルーナの姿―
それはまるで3つ星の煌めき(トロワエトワール)。
私・・・征きますっ!!.jpg

ふたご姫の想いを継いだトロワエトワール―
うさぎ姫がホワイト星の中枢を目指します・・・

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

もはや長文駄文は当たり前。
どうしようもないです・・・(努力しろ)。
前半部のイラストは全滅。
時間ないです技術ないです想像力ないです。
ふしぎ星のうさぎ姫.jpg
着色出来てないのとか、光の翼をどうしようとか・・・・

ルーナの髪型。
青い人も赤い人もよく見れば巻き毛なんですね。
巻き毛を意識したらこうなりました(えー)。

トロワエトワール。
色々な意味を込めたつもりです。
2作目がGYUと来たのだし、3作目としての意味の三つ星。
ファイン、レインと来てルーナは3人目だからという意味で。
そして赤と青を合わせて3つ目の星の輝きとして。
たかだか妄想、されど妄想です。

たしかこの名は8話放送時に思いついたもの。
ハーブの回を見たこと。
アレが全ての始まりでした・・・

さて次回いよいよ大団円の最終回!!
・・・にしないと(オイ)

☆★☆ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(1)☆★☆ [ふたご姫妄想戦記]

ヘタレです。
でも、この文章を綴る時に気をつけてきたがあります。

ひとつは、語り調(モノローグ)を貫くということ。
もう一つは、テンポ良く読みやすくするため、
一文を改行するような長い文章としないこと。

ライトノベルというものをほぼ読んだことがないため、
自分なりに歯切れよく読みやすい文を目指してみたりしました。

文章を改行無くするために、似たような表現になったり、
苦しい文体になったりすることが多々あったり・・・
結局区切れた文も多いです。

また、誤字脱字がたっぷりあったのも情けない感じです。
時間なくとも、やはり推敲の大切さを痛感します。
とほほ。

ルーシアの設定をネット上に綴ったのはいつだったか。
稚拙な文章で、満足いくものではないにせよ、
それも終わりが見えてきました・・・

土曜日になると更新されてる気がしているふたご姫関係駄文。
最終章。
いよいよ開始です。

全部で13話。
最後の物語を語るのは・・・・

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)

ひみつ星のひみつ姫とふしぎ星のうさぎ姫(1)

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆


☆★☆第1章 星くず☆★☆

「くそっ!」
まるで苦虫を噛み潰したような表情からはき出される言葉。
襲ってくる使い魔を手に持った得物ではたき落とすのは、
これで何度目なのだろう。
しかし、いっこうに終わりは見えてこない。
まわりには使い魔があふれ、飛び回っています。


「これ以上は無理か・・・」
そう判断せざるをえない状況。
すでにここ一帯の生徒は全員が講堂に戻ることができています。
ここもそろそろ潮時か。


「ノーチェ!俺たちもいったん講堂へ戻るぞ!」
「えっぐえっぐ、はいぃいい、えっぐ、シェイド待ってよぉお。」
シェイドとその背に隠れて震えていたノーチェ。
講堂付近に陣取って、生徒たちの退路を守ったものの、
その使い魔の数に講堂の中へ退がります。


「シェイド!無事か!?」
「ブライトか・・・ああ。そっちは?」
「なんとか、ね。でも・・・」
「・・・そうか。」


講堂の生徒の多くは使い魔の爪や牙で傷ついていました。
ルーナをホワイト星に送り出すため ―
ロイヤルワンダー学園を守るため ―
一生懸命に使い魔を追い払ってきたのですが・・・

しかし、圧倒的な数の使い魔の前に傷つき、
講堂へじりじりと追い込まれる形となっていました。

幸い、ソレイユベルが安置されている講堂の中にまでは、
使い魔達も襲ってきません。
それがせめても救いでした。
だから、生徒も教師もこの行動に皆、非難しています。


「あの子・・・うまくやってるのかしら。」
ふとルーナの教師を自認するビビンが、
講堂の奥でほおづえつきながら呟きます。

マントはほつれ、服のところどころが破れていることから、
たくさんの使い魔と戦っていたことが伺えます。
そんなビビンの杞憂。
それはホワイト星へ行ったふしぎ星のルーナのこと。


ロイヤルワンダープラネットのすぐそばにあるホワイト星。
その星に学園を襲う使い魔大発生の原因があります。
その首謀者であるのが ―
ひみつ星のプリンセス、ルーシア。

彼女をルーナが止めることができれば・・・
この事態は打開されるはずなのです。

― ところが、今だに動きはありません。
その事実は講堂の生徒達の疲れの色を濃くしていました。
ハーブたちが傷の手当に忙しそうに走り回っている以外、
口を開くものはいません。

「シフォン、現状で僕たちはどうするのがベストだろう?」
そんな沈黙の中、
副生徒会長のトーマが生徒会長のシフォンに問います。

その声は実に落ちついていました。
このような時に感情をむき出しにすれば、
不安が伝播することを理解しているからでしょう。

一方のロイヤルワンダー学園最高の頭脳は、
少しの間うなっていました。
それから「そうね・・・」と難しそうな顔で切り出します。

「外には大量の使い魔がいるわ。」
「ああ。」
「そして、使い魔が来ないこの講堂にホワイト星は落ちてくる。」
「・・・ああ。」
「答えは簡単よ?」
「どうするんだ?」
「どうしようもないわ。」

単純明快な答え。
逃げ場がない状況。
簡単に言えば、絶体絶命。

パニックを引き起こしそうなシフォンの言葉。
でも、トーマは一言「そうか。」と答えるだけ。
そして再び思案を始めます。
次の有効な方法を一生懸命に模索しているようでした。

他の生徒も同じ。
悲観的になるような者はいません。

どれほど困難な状況にあっても諦めない。
なんとかできると信じて努力する。

みんながそんな気持ちを共有しているのは、
この学園を変えたとある2人のプリンセスの ―
笑顔が、
優しさが、
明るさが、
心の灯火となっているから。
ふたご姫から学んだ希望を信じているから。

でも、ふたご姫は今は人形のようにたたずむだけ。
折れてしまったハッピーベルンとふたご姫の心。
どうすれば2人の心を戻せるのか ―
それは誰にも解らない。


誰しもがどうすべきか考えていたその時・・・


ドサ。


「!!」
「なんだ!?」
「使い魔が侵入してきたの!!」

いきなりの大きな音。
それは・・・そう。
ちょうどビビン達がホワイト星から転送されて来た時と同じように。

「何じゃ?何じゃ?何が落ちてきたのじゃ~?」
あまりに急なことで、多くの生徒が警戒する中、
エリザベータは危機感無く近づいていきます。

講堂の長イスに囲まれた所に落ちてきたため、
周りからはよく確認できません。

「エ、エリザベータ様っ!?」
「ち、近づいては危険ですよ!!」
シャシャとカーラの言葉もどこ吹く風。
好奇心に駆られたセレブの姫は落ちてきたそれを確認しようと、
ひょいっと長イスの上に躍り上がって覗き込みます。

「!!」
ところが、いつもマイペースな彼女の目が見開かれました。

「エリザベータ!?」
「ファンゴ・・・」

エリザベータの身を心配して側まで来たのはファンゴ。
その視線の先には―

泥と涙でボロボロになったルーナ。
落ちてきたのは、ただ泣くばかりのルーナでした。


大至急でルーナの治療が行われます。
見た目と異なり、大きな傷は見当たりません。
あちらこちらに擦り傷が見らくらい。
大事ではないようです。

ただ、片方の靴は脱げ、
いつもつけているトレードマークの頭巾がありません。
その代わりに、頭からはウサギのような耳が伸びています。

そんなルーナの口から聞かされたのは、
ルーシアを止められたなかったという現実。

それから、ルーナはただ泣いて謝るばかりでした。
星くずの涙.jpg

少なからず衝撃が走ります。
ふたご姫がいたないこの状況。
同じハッピーベルンを持っていたルーナこそが・・・
ある意味最後の希望だと、誰もが思っていましたから。

しかし、今、目の前には泣きじゃくり、ただ謝るだけのルーナ。
その場にいる誰も言葉をかけることができませんでした。

☆★☆第2章 それぞれの想い☆★☆


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」
ルーナは泣くばかりでした。
ただひたすらに自分を責めていました。

全ては自分の責任。
全ては自分が悪いこと。
なのに、できることは泣いて謝ることだけ。

ソレイユベルから授かったハッピーベルン ―
アンジェリカと名付けたベルンは真っ二つにされてしまいました。
ルーシアによって。

ルーナは誰からも許されないと、そう思い込んでいました。
あれほど大勢の人が自分のワガママに力を貸してくれて、
そしてみんなの希望を肩にホワイト星へ渡ったのに。
何もできずに追い返された自分。

一体なんと言えばよいものか。
どんな顔をすればよいのか。
ルーナには分りませんでした。

もう、許す許さないの問題ではない。
私なんて、あの時ルーシアに切られていればよかったんだ。
そんなことさえ考えました。

だから、誰の顔も見ることができず、ただ泣くばかりでした。
慰めにきた親友のナッチにも泣いて謝るばかりでした。

誰の目からも、ルーナは身も心もボロボロに見えました。
ホワイト星でなにがあったのか・・・
どんな辛いことがあったのか・・・
想像することもできません。
だから、声のかけようがありませんでした。


でも、


「ルーナさん・・・」
「ごめんなさい・・・うう、ごめんなさい・・・」
「聞いて、ルーナさん?」

ルーナの手を取ったのはふしぎ星の雫の国のプリンセス・ミルロ。
それでも下を向いてルーナは泣いていました。
大粒の涙をいっぱい流しながら、泣いていました。

「私もね・・・」
ミルロはそう言って切り出しす。

「私もね、今のあなたのように泣いてばかりの時があったの。」
「うう・・・うう・・すみません。」
「お願い、聞いてルーナさん。」
「うう・・・ううう・・」

泣くばかりのルーナに、優しく諭すようにミルロは話かけます。

「私、故郷に弟がいるの・・・」
「うう・・・」
「その弟のせいで、お母様とうまくいかない時期があったの。」
「うう・・・ううう・・・」
「それは全部、私のせいだと思ってた。」
「・・・」

優しくルーナの手を握りしめます。

「私、自分の想いを全然伝えていなかったの・・・」
「・・・ううう。」
「お母様にも、誰にも。それをファイン達が教えてくれた。」
「・・・」
「何もかも自分のせいって背負い込まないで?ね?」
「・・・でも・・・でも・・・ううう。」

「はいはい。そうですよわ。」
「・・・アル・・・テッサ・・さん・・・」

ミルロの横にアルテッサが歩いて来ました。
「もう、泣くのはおやめなさいな。」
「・・・ううう・・・ひっく・・・」
「あのね?」
「・・・」
「少しの失敗で泣いていたら、何もできないですわよ?」
「うう・・・少しに失敗なんかじゃ・・」
「なに?」
「少しなんかじゃないじゃないですかっ!!」
泣きながらルーナは反論します。
「あら、ちゃんと大きい声もでるじゃない。」

アルテッサはそれでも、自信満々に言います。
「少しですわね。全然。」
「・・・どうして・・・ううう・・・」
「私なんてね・・・」

アルテッサは大きく息を吸い込んだ後、一気に捲し立てます。
「ふしぎ星を滅ぼしかけたのよ!?」
「!!・・・ふ、ふしぎ星を・・・??」
「そうよ。ブラッククリスタルのせいで、ね。」
そして親指で後ろを指します。

「そんなお兄様がいるのですから!」
「え!?今のってボクのことかい!アルテッサ・・・」
「あんな兄に比べたら、あなたのなんて些細なことですわ。」
「・・・アルテッサさん・・・」
あんな兄000.jpg

「あんな・・・兄・・・」
「泣くな、ブライト。どんまい。」
シクシク泣く「あんな兄」を、友人のアウラーが慰めます。

「そうよ、ルーナ!」
「リオーネさん・・・」
「だって、あなたにはまだチャンスはあるでしょう?」
「・・・チャンス・・・」
「ええ。」
笑顔で頷くリオーネ。

「・・・チャンス・・・私に・・・どんな・・・」
「簡単よね。」
「ソフィーさん・・・」
「ホワイト星はまだ落ちてないし、あなたはまだ動けるし。」
「え・・・」
笑顔で話すソフィーの言葉に、ルーナは唖然とします。
でも、驚いているのはルーナだけ。
そこにいる大勢は、さも当たり前といった様子。


「聞いたでしょ、ルーナ?」
「シフォンさん・・。」
「まだ終わってないわ。次の手を考えましょう。」

「元気だせって!まだ終わってねぇって!!」
「そうね。カロリの言う通りですわ、ルーナ?」
「カロリさん・・・アスリさん・・・」

「友達と一緒に帰ってくるっていったよね?」
「泣かないで?ルーナ・・・」
「ハーブさん・・・ローズマリーさん・・・」

「オヌシにはやるべき事があるのじゃろ~?」
「そうよ、ちゃんとしなさいよ!」
「そうよ!頑張りなさいよ!!」
「エリザベータさん・・・シャシャさん・・・カーラさん・・・」

呆れながらファンゴが呟きます。
「オマエら・・・それ、励ましてるのか?」
「当たり前でしょ!」
「なによ、ファンゴ!文句あるの!!」
「・・・ケンカふっかけているように見えるが?」
「なんですってぇ~!」
「そうよ!失礼じゃない!!」
「うむむ。そうかの~?」

「あ~、はいはい。もうええで。」
絶妙な間合いで、騒ぐ4人と止めたのは ―

「・・・レモンさん・・・」
「なぁ、ルーナ。あの五月蠅い連中はほっとき。それより・・・」
「・・・」
「まだ9回表が終わったばっかりや、ろ?」
「・・・は?」
「今から9回の裏や!!」
「キュウカイウラ??」
「そや!!」
「9回の裏言うたら、何や!?」
「・・・へ?」
ルーナにはさっぱり意味が解らない様子。

「決まっとるがな!サヨナラ逆転ホームランや!!」
「そやで!メロン!さっすがウチのアニやんや!!」
「・・・は、はぁ・・・」
なんとも言えないルーナの気の抜けた返事。

「ルーナ。」
「・・・リポさんと・・・タウリさん。」
「おうよ!」
「時間に余裕があるワケじゃない。」
「・・・」

それから、リポは人差し指でメガネを持ち上げて言います。
「でも、まだ時間が無くなったわけではない。」
「!!」
「そうだぜ!ウサミミ!あとは気合いだぜ!」
「うさ・・・みみ??」

そこで初めてルーナは、自分の変化に気がつきました。
急いで両手で耳を隠します。
といっても、既にルーナの耳は衆目にされされていたのですが。

「あわわ・・・私・・・その・・・これは・・・」
「お前はどうして耳を隠そうとするんだ?」
「だって・・・変じゃないですか!?おかしいじゃ・・・」
「誰かがそういったのか?」
「え・・・」

ルーナは下を向いて耳を隠そうとしていましたが、
その言葉で初めて顔を上げました。
そしてその言葉の主を見ます。
「シェイド・・・・さん・・・」

ルーナをこの学園に招き入れたふしぎ星のシェイド。
シェイドは当然、ルーナがラビ族であることを知っています。

「そうやって、自分を隠そうとすることは他人との壁でしかない。」
「え・・・壁・・・?」

「シェイドの言うとおりだよ。」
「ブライトさん・・・」

「1人で背負い込むな、ってことはそういうことじゃないのかな?」
「アウラーさん・・・」

「ここにいる誰も諦めてはいませんよ。ルーナ。」
「ソロさん・・・」

「もちろんこのわ-」
「ティオさん・・・」
「え、ちょ!最後までちゃんと言わせ下さあぁあいぃい!!」

たくさんの生徒がルーナを励まします。
それは恐らく ―
自分たちの気持ちを励ますためでもあったのでしょう。

でも許されないと思いこんでいたルーナにとっては、
ただただ唖然とするばかりのこと。

それでも ―
ルーナは泣きやんでいました。
知らず知らずのうちに涙は止まっていました。

ピンチこそチャンス。
まだ可能性が残されているのだから・・・
星の輝きの信じて ―


☆★☆続く☆★☆

イラストがちっとも出来ません。
技術も速度も・・・あれもこれも、色々欲しいです。
しかし、それらは努力の先にしかありません。
・・・無理か(えー!?)

一応皆にスポットが当たるようにと・・・
忘れた人はイマセンカ?
創ったキャラは次回にて。

描いていて気付きましたが・・・
アルテッサというキャラクターは描きやすい。
よく寝られているなぁ、と感じました。ムムム。

ひかり星の3姫の願い☆★☆ [ふたご姫妄想戦記]

土曜日です。
昔にふたご姫というアニメが放送されていた曜日です。
そんな時を狙って更新されているような気がする、
ふたご姫に関係しそうな駄文群。

今回はお話とお話の間。
それに挟まれる3人娘のおしゃべりの番です・・・

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

シャイン☆.jpgシャインで・・・
ブリンク☆.jpgたいへんよぉおおおお!!
どぉしたらいいのよぉ!?
シャイン☆.jpgブリンク!落ち着いて!!
ブリンク☆.jpg無理よ!無理!!絶対無理ッ!!
だって落ちてくるのよぉ!ここに!!
あのでっかいホワイト星がぁ!!
あたしたち、みんな死んじゃうんだあああ!?
グリタ☆.jpg・・・即ち・・・コロニー墜とし・・・
ブリンク☆.jpgなに冷静にギャグってるのよ!グリタァ!?
いつも魔法でなんとかするふたご姫・・・
今、動けないのよぉ!?
シャイン☆.jpgう、うん・・・
ブリンク☆.jpgそれに、あたし達が送り出したルーナ!
なんかボロボロになってるしぃ~!
うわ~ん!!あたし達、もう駄目なのよぉ!!
最後くらいブライト様に抱きしめて欲しぃわぁ!
うぇ~ん!!
シャイン☆.jpgブリンク!
そんな!ブリンク!!
いいかげんなこと、言わないで!!
ブリンク☆.jpgだって・・・
だってだってだってだって・・・
うぇ~ん!!
シャイン☆.jpgやだ・・・
そんなに泣かないで!?
私だって・・・そんな・・・くすん・・・
グリタ♪.jpg・・・ブリンク?
ブリンク☆.jpgへ・・・うぇ・・・
グリタ♪.jpg大丈夫・・・
大丈夫だから。
まだ・・・終わってない。
ううん。まだ終わらせない。
ブリンク☆.jpgへ・・・グ、グリタ・・・??
グリタ♪.jpg・・・そうでしょう、シャイン?
シャイン☆.jpgえ・・・え・・ええ・・
う、うん。
そうだよ・・・グリタの言うとおりだよ!
グリタ☆.jpg・・・そう・・・3つ目の星は・・・
・・・まだ輝いてない・・・
ブリンク☆.jpg3つ目?
・・・星??
グリタ☆.jpg・・・(コクリ)。
シャイン☆.jpgいつだって、みんな信じて頑張ってきた。
諦めたらそこで終わりだよ、ブリンク。
まだホワイト星は学園に落ちてない・・・
ううん。落とさせないよ!!
ブリンク☆.jpgでも・・・
ファインもレインもルーナも・・・
グリタ☆.jpg・・・まずは私たちが信じなきゃ。
支えてあげなきゃ!!
ブリンク☆.jpg・・・グリタ・・・
グリタ☆.jpg・・・ね?
じゃなきゃ・・・諸行無常。
ブリンク☆.jpg・・・ふ、ふん。
わかってるわよぉ!
ちょっとキャラ特性を出しただけよぉ!
絶対最後は・・・
最後はハッピーエンドなんだからねぇえ!!
シャイン☆.jpgふふふ。
そうだね☆
グリタ☆.jpg・・・ウム。
ブリンク☆.jpgよぉおおし!
あたしの名推理が冴えるわよぉ!
グリタ☆.jpg・・・それは・・・無い。
ブリンク☆.jpgなんでよぉおお!!!
シャイン☆.jpgいよいよ次週から最終章です。
輝け、トロワエトワール☆★☆!!
グリタ♪.jpg・・・刮目してね!テヘッ☆
ブリンク☆.jpg・・・ちょっとグリタ・・・
なんかズルいわよ、目立ちすぎて・・・・


☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆


問題は時間的余裕と、
まとめる才能と・・・
あと根性とヤル気と・・・
どれもこれも希薄な気がします(えー!?)

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)4 [ふたご姫妄想戦記]

土曜日になるとなんとなく更新される、
ふたご姫に関係しそうな駄文系。
もう・・・必死です・・・

文章こそなんとか以前から・・・ですが、
絵がもうアレでソレで・・・
他のことやるのが悪い(えー)。
後々描いたら加えよう・・・

3つめの星の輝きの物語。
いよいよ終幕?

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆


ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)4


☆★☆あらすじ☆★☆


ロイヤルワンダー学園の大勢の生徒の力を借りて、
ふしぎ星のルーナはホワイト星へ渡ることができました。
ルーナは目指します。
この星のどこかにいるひみつ星のプリンセスのもとへ・・・

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)1
ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)2
ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)3

☆★☆第7章 うさぎ姫、想い、信じて☆★☆


「ひゃあああああああああ!」
本当にそれは“あっ”という間でした。

ロイヤルワンダー学園から発進したロケット。
私はそれに乗って、使い魔たちを振りきり、
ついにホワイト星に到着することができました。

でも・・・ロケットってどうやって止まるんだろう?
そう思った時には、もうすでにホワイト星の地面が目の前。

ぶつかる!!

その瞬間、ロケットが地表に・・・。
突き刺さったんです。
私は勢いよく放り出されて、転がってしまいました。
でも、私はなんとか無事・・・です。

「あいたたた・・・」
でも、さすがに無傷とはいきません。
ところどころすりむいてしまいました。

ロケットって・・・
こんな風に地面に突き刺さって止まるんだ。
知らなかった(違うわよ!?byシフォン

それはそうとして、ここ、どこだろう?
あたりを見回しても、
この場所がどこなのか、見当もつきません。


皆さんの力をかりて、
私はロイヤルワンダープラネットを越え、
ホワイト星へ来ることができました。

科学部の皆さんが作ってくれたエコロケット。
シフォンさんたちが作ってくれた木製のカタパルト。
それを守るために使い魔を追い払ってくださった皆さん。
ほんとうに・・・ありがとうございます!

私はロイヤルワンダープラネットの方を向いてお辞儀をしました。

私ひとりの力じゃ、絶対に無理でした。
あんなにたくさんの使い魔たちを退けて、
ここまで来るなんて・・・・

でも、いつまでも感傷に浸っている場合ではありません。
ルーシアに会わなきゃ!
そして、こんなことやめてもらわないと。


と、決意を新たにしたのは良いのですけれど。
そして、ホワイト星へ到着したのはいいんですけど・・・

「えっと、ここ・・・どこ・・・かな?」
もう一度ぐるりと回りを見渡します。
日が暮れたように暗い中で見えるものと言えば、
山と草原と石畳の道だけ。
建物や街らしきものはまったく見えません。

あ・・
考えてみたら、私、ホワイト星とか来たことない。
それに、ビビン先生にホワイト学園の場所、
聞いていませんでした。

・・・ど、どうしょう。

ホワイト星の大きさは、
ロイヤルワンダープラネットと比べて小さいようです。
大きさ的には6分の1くらいだと聞きました。

それでもいくつもの街とかあるようでうし・・・
その中からホワイト学園の場所を探すなんて、
私にできるのでしょうか。

薄暗い中でひとり。
急に言いようもない不安に襲われます。

ど、どうしよう・・・どうしよう・・・どうしうよう・・・

それに今は周りに姿こそ見えませんが、
使い魔だっていっぱいいるはずです。

そして私の側には人影なんてありません。
頼れる人は誰一人としていないんです。
ナッチもロロアも・・・
シェイドさんも、ブライトさんも・・・
トーマさんもシフォンさんも・・・
誰も。

「ふぇ・・・うっ・・・ううう、」
涙がこみ上げてきました。
こんなんじゃ、ルーシアに・・・
ルーシアに・・・

・・・ルーシア?

「・・・」
私はぐっと泣きたいのを堪えました。
そうだ・・・ルーシアだ。
ルーシアに会いに来たいんだ。
泣いている場合じゃないんだ!

「えいっ!えいっ!!」
私は自分のほっぺたを両手で3回叩きました。
ヒリヒリします・・・

気合いを入れる時はこうするの・・・
プレッツェル部長は、そう言ってやって見せてくれました。
・・・私のほっぺたで。

「よしっ!」
気持ちを切り替えます。
ルーシアの元へ行くんだ。
何がなんでも!

そう思った時でした。

「・・・え?なに?」
ふと声が聞こえたんです。

気のせいかもしれません。
でも、聞こえるというより感じるような・・・
誰の声?
ルーシアの・・・声なの?

私は耳を澄ませました。
「・・・」

確かに聞こえる気がする。
それは声というより・・・気配?
なんだろう。
よくわかりません。
でも、確かに感じるんです。

今、ホワイト星には誰もいないから。
だからかもしれません。
わずかに感じる人の気配。物音。
私の勘違いかもしれない・・・でも!

「・・・ルーシア!」
私はその声のようなものをはっきり聞くために、
帽子をとって走り出しました。

帽子の下には・・・
入学からずっとかくしてきたラビ族の耳があります。
私の村に伝わっていた変化の魔石。
それを使って今の姿になったけれど、
どうしても耳だけはラビ族のままでした。

見られたら笑われるかもしれない・・・
そう思って、今までずっと隠していたけれど。
でも、今はそんなことを言ってられません。
帽子で隠しているより、
はっきり小さな音でも聞き取れるはずです。
だから・・・!

私は、ルーシアがいると感じる方へ、
一生懸命に走りました。
少しでも・・・
少しでも早くルーシアの元へ行けるようにと。

☆★☆第8章 叶わぬ想い☆★☆


「ルーシアぁああああ!」
「あら?ルーナ。元気そうね。」

どれくらい走ったでしょうか。
息が切れて、足が重くて、もう走れないと思った時。
その頃になって少し大きな街が見えました。

その街の大通りの先。
その街の中心。
そこに白い色の大きな建物が見えました。
たぶん、そこがホワイト学園だ。
直観的に解りました。

そう思って、学園に向けて力を振り絞って走る途中、
街の高台に人影が見えたんです。
すぐに分かりました。
ルーシアだっ!!
だってこの星には、ルーシア以外、誰もいないはずですから。

私は迷わずその高台に向かいました。
そこは学園の町が見渡せる場所でした。
そして、そこにルーシアがいました。
いつも通りの表情で、高台の崖の先に腰をかけて、
足をぶらぶらさせていました。


「ルーシア・・・」
「はぁい。」
ルーシア・・・.jpg

ルーシアの姿を見て、私は泣きそうになりました。
でも、ルーシアは振り返らずに笑顔で手を振ります。

「どうして・・・」
「ん?」
「どうしてこんなことをするの!?」
ルーシアは立ち上がって、私の方へ向き直ります。

私はルーシアに聞きました。
もちろん、その答えはすでにルーシアの放送で知っています。
でも・・・
でも、ルーシアの口から聞きたかった・・・

「あら?放送、聞こえてなかったの?」
「・・・聞いた。」
「あら。だったらわ解っているんじゃなくて?」
「・・・」

笑顔のこと。
ひみつ星のこと。
アンハッピーとハッピーとのこと。
そしてふたご姫とブラッククリスタルキングのこと。

「なら、今のルーナの問いに答える必要はないわね。」
「やめて!こんなことをやめて、一緒に帰ろうよ!!」
「やめない。」

ルーシアの表情はいつも通りでした。
いつも通り微笑んで・・・
でも、それが私には無性に悲しかったんです。
ルーシアは私に心を開いてくれていないんだ・・・
こんな時でもいつもの表情を見せるルーシアに、そう感じました。

そういえば・・・
ホワイト星にはたくさんの使い魔がいると聞いていたけど??
「使い魔は・・・?」
「ああ。もう用がないから帰ってもらったわ。」
「・・・」
そんなこと・・・できるんだ。
なら!!

「ロイヤルワンダープラネットの-」
「それはイヤ。」
とりつく島はありませんでした。

ルーシア・・・
今やっていることでたくさんの人が困っているんだよ?
もうヤメテよ・・・
私も悲しいよ・・・

「そうね。それに・・・」
ルーシアの次の言葉はさらに私に突き刺さるものでした。

「ねぇ、ルーナ?私と帰ってどうするの?」
「え・・え・・」
私は答えに詰まりました。

「私を連れ帰って、今回の事件の首謀者です!って公表する?」
「しない!そんなこと、しない!」
「じゃ、みんなの前で公開処刑をするのね?」
「!!」
「だって、宇宙のみんなが知っているものね。」
そう言ってルーシアは私から視線を外して空を見上げます。

「私のこと。顔も。やったことも、ね。」
「あ・・・」
「ブラッククリスタルキングを生む『きっかけ』ってことも。」
「・・・」

言葉が出ません。
そうだ・・・
ルーシアは全宇宙に向けてを放送したんです。
自分のやってきたこと全てを。

どうして・・・どうしてそんなことを?
みんなが怒ること、怖がること、解っていたはずなのに!?
どうして・・・

「あら、私はロイヤルワンダープラネットに連れ帰られるのね?」
「え・・・」
「なら、学園の生徒に処刑されるのかしら?楽しみね。」
「そんなことしない!させないっ!!」
ルーシアは笑顔でした。

こんなにも怖いことを笑顔で楽しそうに言うルーシア。
私にはわかりません・・・
ヒミツなの?
ルーシアの今の気持ちも、
今考えていることも、
全部ヒミツなの?

「どうして・・・どうしてそんなことを言うのッ!!」

叫ばずにはいられませんでした。
どうして・・・
どうして・・・

あまりにも解らないことばかり。
ルーシアのことはわからないことばかりです。
ひみつ星のプリンセスだから?
だから全部ヒミツなの?
ルーシア・・・
友達なのに。

「私は友達をそんなこと・・・」
「友達?」
空を見上げていたルーシアが、
視線を私に戻します。

「あら、ルーナ。私たち友達なの?」
「え・・・・」
そう言ってルーシアはくすくす笑いました。
私にはその笑顔の意味が解りません。

「ルーシア・・・何を・・・」
「私ね、ルーナ。とても長い時間を生きてきたの。」
「・・・」
「けれどね。友達なんて作ったことがないわよ?」
「・・・何を・・・嘘・・・ウソ・・・」

ルーシアの表情はいつも通りでした。
微笑んでいて・・・あまりにもいつも通りで・・・

「全てはソレイユベルと滅ぼすため、にね。」
「うそ・・・違うよ・・・そんなことないよ・・・」
「あら、私は演技ばかりで生きてきたのよ?」
「嘘だよね・・・そんなことないよね?私たち・・・」
「もちろん。ルーナのことも。」
「・・・」

ルーシアは私に笑顔をで言いました。
「貴女は対ふたご姫用のコマだもの。」
はっきりと・・・

何も・・・言い返せませんでした。
ただ、泣くことしかできなくて。

イーヤオさんの言葉を聞いた時から、
もしかしたらと思っていたけれど・・・
ルーシアの言葉で言われると、
それはとても・・・ショックでした。

でも・・・
それでも私はルーシアのことを友達だと思っています。
信じています。
それが今の自分を支える全てだから!!

「それでも・・・いいから・・・一緒に帰ろうよぉ!!」
途切れ途切れの言葉ながらも、ルーシアに訴えました。

それなのに・・・
「あきれた。ほんとに貴女って・・・馬鹿なのね。」
「う・・・う・・うう・・・」
涙で顔をぐしゃぐしゃにする私にルーシアは呆れるだけ。

でも、私にはルーシアを連れて帰る約束があるから。
皆さんがそのために力を貸してくれたから。
言って聞いてくれないなら、力づくでも・・・!!

「あら、なに?やっぱりそうなるのね?」

私はハッピーベルンを構えました。
微笑むルーシアに向けて。


私のベルンはファインさんやレインさんとは異なります。
まるで大きな剣のような鍵のような不思議な形。
そんなベルンを友達に向けました。
絶対にルーシアに帰ってきてもらうんだ・・・だから!


「ふふ・・・うさぎ姫は無理矢理がお好きなのね?」
「・・・」
「あらあらダンマリ?」
ルーシアはくすくす笑います。
なんで・・・どうして笑うの?

そして微笑んだまま考えるそぶりを見せます。
「そうね。私は武器らしいものはないけど・・・」
そう言ってルーシアは右手を私に向けました。

「・・・?」
「こんなこともできるの。」
その瞬間、ルーシアの右手から青い光が伸びます。
それはまるで光の剣のように見えました。

「ルーシア・・・それ・・・なに・・・」
「あら?これ?これね、こんな風に使うの。」

ルーシアは右手から生じた青い光を振います。
すると、周りにあった樹や岩がスッパリと切れてしまいました。
まるで温めたナイフでバターを切るみたいに・・・

「・・・」
「どう?便利でしょう?私の魔法。」
私はなんて言ったらいいかわからなくて・・・
ただただルーシアを見るしかできませんでした。

でも、ルーシアは笑うだけ。
何がそんなに楽しいの?私、全然わかりないよっ!?

「ハッピーベルンなんかで私に勝てるはず、ないでしょう?」
その時のルーシアの表情を見て、私は背中がゾクリとしました。
気付いたんです。
ルーシア・・・目だけは笑っていない。
とても怖い目・・・

「この光にかかれば、貴女のベルンも真っ二つよ?」
「えっ!?」
ルーシアの言葉を聞いて、とっさにベルンを背中に隠します。

「あらあら・・・ふふふ。」
焦る私の姿を見て、ルーシアは大笑い。
何が楽しいの・・・ルーシア・・・ひどいよ・・・

・・・ダメだ。
ここで怖がっちゃダメだ!
泣きそうになるのを堪えて、ベルンをもう一度構えました。
「あら?ヤケになったのかしら、ルーナ?」
ルーシアも笑うのやめて、光の剣を構えます。

「うわあああああ・・・」
私は、泣きながらルーシアに向けて走りだしました。
なんとかして・・・
なんとかして、ルーシアを止めたくて。

でも、突っ込むだけの私なんて・・・
ルーシアから見ればなんてことありません。
まるで踊るかのように身をかわされます。

そして、勢い余って・・・
「うわ・・・きゃっ!」
派手に転んでしまいました。

「あらあら。ほんと、見てて飽きないわね、貴女。」
「うう・・・うー。」

私は涙を服の袖で拭いて、
もう一度ベルンを構えてルーシアに向かいます。
でも結果は同じ。

軽くルーシアによけられてしまいます。
さらに今度は足まで引っかけられて・・・
「きゃあああああ。」

今度は何度もでんぐり返りをしてしまいました。
「ぷっ・・・ほんと、バカね。貴女。大バカだわ。」
ルーシアはお腹を押さえて笑っています。

立ち上がって、泥も汚れも払わずにルーシアに向かいます。
何度も避けられ、何度も転び、服はボロボロ。
顔も泥と涙でぐしゃぐしゃ。

それでも、私はルーシアに向かいました。
だって私には・・・これしかないから。
きっとルーシアは解ってくれる。
絶対止めてくれる・・・
前のルーシアに戻ってくれる!
そう信じていましたから。

☆★☆終章 うさぎ姫の想い、砕けて☆★☆


「ふぅ・・・そろそろ疲れてきたわね、ルーナ。」
ルーシアはちっとも疲れていない表情でそう言いました。
「私、まだやることあるの?わかる?」
「うっう・・・ううう・・・」

私の顔は泥と涙でぐしゃぐしゃ。
服もドロドロでボロボロ。
それでもルーシアを睨みつけました。

ルーシアが一緒に帰ってくれるまで諦めるない!
私と私のハッピーベルンがあれば・・・
アンジェリカがあれば、きっと想いをルーシアは解ってくれる!
きっと解ってくれる!!

「うわああああああ!」
私はもう一度、気力を振り絞って、ルーシアに向かいます。

お願い!
ルーシア、解って!
きっとみんな待ってるよ!
ルーシアが帰ってくれることを、待ってるよ!


「ぷっ、変な顔ね。じゃ・・・これで、お終いにしましょ?」
ルーシアが右手を振りおろしました。

さっきまではワザと外して楽しんでいた感じだったけれど、
今度は違いました。
あまりにも自然な動きで、それは私に向けられいて・・・

「え・・・」

私は、どこかで甘えていたのかもしれません。
ルーシアはそんなこと、しない、と。
きっとルーシアは私の気持ちを最後はわかってくれる、と。

でも・・・
ルーシアの右手から生まれた光の剣は・・・
振り下ろされました。


私に。


咄嗟のことで、私はハッピーベルンで―
アンジェリカで無意識に身を庇いました。


すると、ドサって・・・


重いなにかが落ちる音がしました。
最初、それが何かはわかりませんでした。
それは・・・

「アン・・・ジェリカ・・・?」

それは私のハッピーベルン。
私のアンジェリカは真っ二つにされていて・・・
落ちていたのは、アンジェリカの上半分。
うそ・・・ルーシア?

・・・あれ・・・え・・・嘘だよね・・・

「あらあら。きれいに切れたわね、ルーナ?」
ルーシアの表情は普段どおりでした。
本当にいつものように微笑んでいました。

「あら。貴女の心は折れないのね?」
「は・・・」
茫然としていた私には・・・
ルーシアの言葉の意味が解りませんでした。

「そうね。ふたご姫、ファインとレインを思い出してみなさい?」
「・・・」

ファインさんとレインさん。
ハッピーベルンが折れると同時に心も砕けて・・・
まるで人形のようになってしまっていました。

でも、今、ベルンが真っ二つになった私は・・・

「・・・なんとも・・・ない?」
自分で自分のことがわからない・・・

それより、私はルーシアが私に向けて、
光の剣を躊躇なく振り下ろしたことがとても悲しくて・・・
ただ、地面にへたり込んでいました。

そんな私に向けてルーシアは言います。
「ふふ・・・ルーナ?貴女、ベルンとは心が通ってなかったのね?」
「え・・・」
「心を通わせていたら、ふたご姫と同じく心が砕けていたわよ。」
「!!」
「命拾いしたわね?」

そう・・・なの・・・?
私は、ハッピーベルン・・・アンジェリカと心が通ってなかったの?


「ソレイユベルが祝福したといっても、所詮まがいもの・・・ね。」
「まがい・・・もの・・・にせものって・・・こと?」
「だってほら、貴女には天使がついていないでしょう?」

天使・・・
そういえば、ファインさんとレインさんの周りには・・・
小さな可愛らしい天使が飛んでいたっけ。
確かに私にはそんな子たちはいない・・・
それはルーシアの言うとおり私が「まがいもの」だから?

「それに貴方、どこの星のプリンセスでもないし。」
「・・・」

そうだ・・・私はプリンセスなんかじゃない。
ただのラビ族の村長の娘だから・・・

「プリンセス以外は本来あの学園には入学できないはずよね。」
「あ・・・う・・・」
「ほんと、色々なまがいものよね。貴女。」
涙がこぼれる。
何も言い返せない。
だってルーシアの言っていることは全部本当だもん・・・

「それにね・・・」
「・・・」
「貴女は人の気持ち、全然理解しようとしないものね。」
「人の・・・キモチ・・・」
「そうよ。」

ルーシアは私を見下したように続けます。

「貴女は甘えてばかりでいつも何かをして貰えると思ってる。」
「そんなこと・・・ないよ・・・」

私は泣きながらルーシアを見上げて、反論します。
でも・・・その声はあまりにも弱々しくて。
自分でも悲しくなるほどか細いものでした。

「具体的には何もしない。考えもない。」
「そんなこと・・・そんなこと・・・ないよ・・・」

「ただ信じてれば、なんとかなると思ってる。」
「そん・・・な・・・こと・・・」

「信じていれば、誰にでもわかって貰えると思ってる。」
「そんな・・・そんな・・・」

「身勝手ね。とても。」
「ちが・・・う・・・そん・・・」

「それでいて思い通りになると本気で思っているの?」
「・・・う・・あ・・・・」

「ほら、今だって。ただ泣くだけなんでしょう?」
「うぇああああんふえぁああああん。」

私はもう・・・がまんできなくて・・・
両手で顔を覆って泣きました。

どうして・・・
どうして・・・もう・・・
もうイヤ!なんでこんなことになったの!?

イヤ・・・
イヤだ。
もうイヤだよぅ!!
お家に帰りたいよ!
お母さん、お父さん!
誰か・・・誰か助けて・・・助けてよ!!

「独りよがりなマガイモノのウサギさん。」
泣きじゃくる私をルーシアは、厭そうに見ます。

「そんなだからベルンと心を通じ合わせられなかったのよ。」
「ひっくう・・・うううう・・えぇえん。」
「そんなだから・・・何も自分の意志で決められないのよッ!」

その時のルーシアの顔を、表情を・・・
私は見ることができませんした。
ただただ泣くばかりで。
そんな余裕もなくて。

でも、もし、ルーシアの表情を見ることができていたら、
少しは・・・ほんの少しだけど。
ルーシアの気持ちがその時に解ったかもしれません。

その時のルーシアの表情。
それは笑顔ではありませんでした。
とても辛そうで・・・とても悲しそうでしたから。

けれど、私はただ泣いてばかりでした。
だから、そんなことにも気付かずにいました。
そして、もう、何もかもが嫌になっていました・・・

どうして?
自分だけがこんなに辛い目に会わなければならないの?
どうして?
誰もこんなに辛い私を助けてくれないの?
どうして?
どうして解ってくれないの?

ただただ悲しくて。
泣くばかりでした。

「・・・」
ルーシアは少しの間、そんな私を見つめていたようでした。
でも・・・

「ふぅ、うるさいわね。次あるし、私、今は静かにいたいのよ。」
そう言って、私に手をかざしました。

「!!」
「もう消えてくれるかしら?鬱陶しいから。」
「いや、ル・・・―
「バイバイ。もう二度と会うことはないわね。」

私の言葉は途中でかき消されて・・・
最後まで言うことができませんでした。
気がついた時は、真っ暗な中にいましたから。


ああ・・・そうか・・・
ダメだったんだ、私・・・
強く一生懸命に想えば願いが叶うって・・・
そう信じていたのに。


まるで頭から真っ逆さまに落下していくような感覚。

ダメだったんだ・・・
私はダメなんだ・・・

ルーシアに帰ってもらうことが・・・
ルーシアにやめてもらうことが・・・
できなかった・・・・


信じればなんとかなる。
信じれば誰かが助けてくれる。
そんなこと・・・ないじゃない!!


ごめんなさい・・・皆さん・・・
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・

私は、ただ、泣くだけしかできないから・・・

そうして、私の意識は暗い海に沈んでいきました。

☆★☆おわり☆★☆


見事BADエンドです(ちょー!?)

というのはさておき(置いておくのか!?)、
ひみつ姫とうさぎ姫の物語も終局に(まじ?)。

けうさぎ姫が白き星の中枢へ羽ばたくとき・・・
それこそが☆★☆の輝き(トロワエトワール)。

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)3 [ふたご姫妄想戦記]

土曜日になると必死に更新される、
ふたご姫に関係しそうな駄文系。

時間が欲しいです。
文章の基礎は完成していても、
絵がちっとも出来上がりません。
本当はあと2,3枚の下絵があるものの、
完成させるに至りませんでした。
トホホ・・・

物語はいよいよ・・・
なんだろう?
山場??

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)3

☆★☆あらすじ☆★☆

オデーン!
おでーん、おでんおでんおで~ん!!
おで~ん?
おでおでおでーん!
じんこうおでぇぇぇええええん!
※あらすじになっていない場合があります。ご注意下さい。
前々回 ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)1
前回  ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)2

☆★☆第5章 叶う想い☆★☆


「よぉーし、燃料はなんとかなりそうだな!ほっかむり!」
「もう、いい加減に!・・・いいです。」
それにそれどころでもありませんし。

「トレミーさん、これで私はホワイト星に行けるんですね?」
「おう!ロケットは燃料があれば飛ぶ。」
「よかった・・・」
「でも、推進力は燃料だけじゃ足りないわよ?」
「は?」
「なに!?」

スイシンリョク?
・・・なんの話だろう。
そう思って振り返ると・・
誰もいない?
違う。上じゃなくて下?

「あの・・・えっと・・・」
「アナタとは初めて会話するわね。」
「は、はい。」

私よりも背が低い金髪の女の子。
そう。この人が・・・
「私はシフォン。生徒会長よ。」
「はい、知っています。」
そりゃ、有名ですから。
「でも・・・シフォンさん、スイシンリョクって?」

シフォンさんの説明によると、
エコロケットでは推進力が足りないとのことでした。

燃料を入れても、エコロケットだけではホワイト星まで届かない。
なぜなら、補助のブースターがなにもないから、だそうです。
それに使い魔たちを突っ切る必要があるので、
もっと速度が必要になる。

ということですけれど・・・
・・・ちょっと難しくて、私ではあまり、その・・・

「それじゃあ、ホワイト星までは・・・」
「このままじゃ、行けないわね。」
「そんな・・・」

せっかく皆さんがここまでしてくれたのに・・・
それなのに、ホワイト星にいけないなんて。
ルーシアに会えないなんて・・・
私、どうしたいいの?

「言ったでしょ?このままじゃ、って。」
「え?」
「さっき計算したんだけど、カタパルトを作ればなんとかなるわ。」
「カタ・・パル・・・なんですか、それ?」
「推進力を得るためロケットを走らせる滑走路みたいなものよ。」
「は・・・はぁ・・・」
全然意味が解りません。

「でも、そのカタパルなんとかがあれば・・・」
「カタパルトね。私の計算だと行けるわ。」
「やった!」
「でも、喜ぶのは早いわね。」
「へ?」

「カタパルト作るには室内じゃ無理なのよ。」
「そうなんですか?」
「ええ。だから外に出る必要があるわ。」
「外へ・・・」
「それに建築資材も作る人間も。」
「・・・」
「それに滑走路を走るためにロケットも改造しなきゃ。」
えと、それって、無理なんじゃ・・・

「ホワイト星がこのソレイユベルに落ちるまでは・・・」
そう言ってシフォンさんは計算を始めます。
「あまり時間がないわ。」
「なら、よけいに不可能じゃないですか!」
なんでそんなに冷静でいられるんですか!?
もっと焦ったりしませんか??

時間がない上に、
人手や材料が必要で、
さらに使い魔だらけの外に出ないといけないモノを作る・・・
そんな絶望的な状況なのに!?

「シフォン。」
「なに、ブライト?」
「何人いれば、それは作れるんだい?」
「そうね・・・私の計算だと力持ちが50人くらい。」
「そうか。アウラー!」
「問題ないよ。それくらいの人数ならすぐに揃う。」
「よし。次の問題は建築材料だな・・・」
「鉄じゃなくていいの。」
シフォンさんは人差し指を立てて続けます。
「1回だけの滑走に耐えるだけなら木で十分だから。」
「木か・・・」

「あ、それなら・・・」
ミルロさんがふと思い出したように言います。
「以前演劇に使ったものとか使えませんか?」
「なるほど!使えるな。」
シェイドさんが手を叩きます。
前に演劇されてたんですね、皆さん。・・・知らなかった。

「はいはいは~い!」
「あ!フーカさん!?」
「久しぶりね、ルーナ。」
手を振っていたのは、以前に知り合ったアイドル星のフーカさん。
でも・・・

「どうしたんですか?」
「ええ。たくさん木材が必要って言うでしょう?」
「はい。」
詳しくは解りませんが、なんだかそうみたいです。

「オウカ!!」
「OK!姉さんとすぐ確保してくるわ♪」
フーカさんが呼んだのは、
フーカさんと同じチームのオウカさんでした。

「オウカのお姉さんね、フラワーアレンジメント部なのよ。」
「はぁ・・・」
フラワーアレンジメント部って・・・・
確かロロアが以前いた部ですよね?

「たくさんの木材があるの。」
「そうなんですか!?」
「ええ。バン・ジョー先生に言って、すぐ貰えるように手配するわ!」
すごく助かります!

助け船はフーカさん達だけではありませんでした。
「私たち科学部にある材料も使えないだろうか。」
「山岳部には沢山のロープがありますですっ!!」
「そうね。それでなんとかなるわ。」
フーカさん・・・オウカさん・・・ティオさん・・・
科学部の部長さん・・・
皆さん、本当にありがとうございます!

「あと、カタパルトの動力なんだけど-」
「動力ですか・・・」
また難しそうな言葉がでてきました。
解決しなきゃならない問題は山積みなんですね・・・

「輪ゴムだから。」
「え!?輪ゴムですか!?」
「ええ。輪ゴム。」
「えっと・・・」

シフォンさんの話しだと、動力は輪ゴム。
簡単に言えばロケットの土台を、
大きくて長い輪ゴムに引っかける。
その勢いを使って長い滑走路を走らせて推進力を得る。
・・・のだそうです。
け、結構単純なものかも・・・

「いっぱいの輪ゴムを集めてきて!」
シフォンさん、ほんとにそれで飛ぶのですか・・・?
少し心配です。
でも、自信満々なシフォンさんの姿を見て、
その言葉を飲み込みました。

「よし、みんな、やるぞ!」
「おー!!」
ブライトさんのかけ声に、大勢の声が重なります。

「・・・みなさん。」
そうか。
みなさん、力を合わせればなんとかなるって・・・
そう知っているから、冷静でいられるんだ。
そうやって、この学園を守ってきたんだ。
すごい・・・すごいです!!

シフォンさんは私の方を振り返って言いました。
「これは別にあなただけのためじゃないのよ。」
「え?」
「私たち自分自身のため、学園のため、ファイン達のため・・・」
「・・・」
「そのために頑張るの。」
「・・・はい!」

私、この素敵な学園とこんなに素敵なみなさんと会えて、
本当に幸せです。

「でも、まだ問題があるんじゃないか?」
「リポ?なんだよ、やぶからぼうに。」
「えっと・・・」
「僕はA組のリポ。そして相棒のタウリだ。」
「オッス!」
「あ、どうも。」

私が頭を下げると、リポさんはメガネをクイっと指であげます。
「かしこまらなくていいよ。」
「気にすんなよ、ほっかむり。コイツはいつもこんなだから。」
・・・気にしません。
気にしませんが、ほっかむりという呼び名は気にしますよ。
絶対。

それはさておき・・・
「あの、問題というのは?」
「カタパルトを作っている間のことだよ。」
「はぁ・・・」
どういう意味なのか、それだけではわかりません。

そんな私に気がついたリポさんが丁寧に説明してくれました。
「使い魔が黙って見過ごしてくれるとは思えないだろう?」
「あ・・・」
確かに。
外に出てその長い滑走路を作るのだから、
使い魔たちが襲ってくることは確実です。

「カタパルトのの長さね?」
「ああ。どれくらい必要なんだい、シフォン。」
「私の計算だと、ざっと最低500メートルかしら。」

えっと・・・
今のリポさんとシフォンさんの話だと、
そのカタパルトというものの長さは・・・
500メートル!?
そんなにも必要なんですか!?

「そ、そんなのできるんですかっ!?」
私はついついすっとんきょうな声を出してしまいました。
だって、どう考えても短時間でそんな大きなものなんて!
「できるわ。」
できるんですか・・・
シフォンさんは自信満々に答えます。

「ただ、リポの話でも聞いたでしょう?」
「はい。使い魔ですね。」
「そうよ。人員をカタパルトの建築に割く以上、厄介ね。」

ああ・・・頭がごちゃごちゃしてきました。
一体どうしたら・・・

「その辺りは、ワタクシ達にお任せいただけるかしら?」
「!!」

悩んでいる私たちの後ろから、
少し高飛車な感じの人の声が聞こえました。
金髪の人で・・・
アルテッサさんとはまた違った感じの「お姫様」という風です。

「えっと・・・あの・・・」
「上級生で生徒会役員のルミネよ。ルーナ。」
そう言ってシフォンさんが紹介してくれました。

「あ、どうも。」
私は頭を下げました。

「シフォン、あなた達はあなた達の仕事に集中しなさいな。」
「ええ、そうするけど・・・」
「使い魔のことは、ワタクシと・・・」
「私に任せるアル!」
「・・・ある?」

ルミネさんの横にいた人が笑顔で勢いよく虚空を蹴り上げます。
「アチョー!・・・アル。」
なんだか独特の話し方をする人です。
おまかせですわ.jpg

「この娘はマフィン。ワタクシの相棒よ。」
「私たちに任せるアル。」
「でも、貴女達だけでは絶対数が足りないわ。」
「問題ない。シフォン。」
「トーマ?」

今度は副生徒会長のトーマさんが話に入ってきます。
「ボクら生徒会も微力ながら助太刀させてもらうよ。」
「そう。なら、カタパルトを作る者と守る者に二分するのね。」
「そうだ。」

そう言ったあと、トーマさんは急に拳を振り上げて叫びました。
「この学園に使い魔なんて必要ないィイッッ!!」
そ、そりゃそうですよ・・・

でも、不思議です。
皆さんといると、とても安心します。
どんな困難なことも、できそうな気になる・・・
私、すごく嬉しいです。
こんな気持ち!!

☆★☆第6章 想い、星の輝きと共に☆★☆


「と言うわけなんだ。」
トーマさんが講堂に集まっていた皆さんに説明します。
カタパルトを作る班。
そして、それを防衛する班。
「この学園のみんなの結束が-」
トーマさんが拳を振るわせて言います。
「必要ある!!」
それを合図に作戦が決まりました。

でも・・・
「あの、私はどうすれば!」
私の名前なんですが、
作る方にも守る方にも、
どちらにもありませんでした。

おかしいです。
ナッチだってロロアだって、どちらかに名前があるのに・・・
私だけないなんて。
私だって、働けます!
背とか低いですし、力も強くありませんけど・・・
ものを運んだりすることくらいならできますし。

「バカか、ほっかむり!」
「何ですか、トレミーさん!!」
そんな風に思っている時に、
いきなり突っかかられたら、私だって怒ります!

「考えてみろ、お前はチェスで言うところのキングなんだぞ!」
「はい?・・・キングですか?」
できればクィーンがいいですけれど・・・

「そうだ。カタパルトが完成した瞬間にエコロケットを打ち上げる。」
「あ・・・」
そうか。
そうだった。
私は行かないと行けないんだ。
ルーシアのいるホワイト星へ・・・

「お前は俺たちが必ず送り届けてやる。」
「トレミーさん・・・」
「だから、お前はお前のできることをしろ!」
私はしっかり頷きました。

私・・・皆さんに、どうお礼を言ったら良いのか、
まったくわかりません。
わかりませんから・・・
だから、私は私のできることをしっかりすることに決めました。
そう誓ったんです。

「使い魔の迎撃は私らに任せるアル~。」
大変なことなのに、なんとも脳天気そうなマフィンさん。
だ、大丈夫なのですか、そんなお気楽で??

「ええ。頼むわね。」
そう言った後、シフォンさんは本当に消えそうな声で言いました。
「・・・姉さん・・・気をつけて・・・」

「え?」
今、シフォンさん、姉さんって・・・マフィンさんのこと?
マフィンさんには聞こえない程の小声。
私の耳はウサギ耳だから、実はよく聞こえるんです。
・・・帽子で隠してますけど。

「シフォン。」
「!!」
講堂から出て行く間際。
シフォンさんの名前を呼んでマフィンさんは振り返りました。

「行ってくるわね・・・アル。」
その顔にはとびっきりの笑みが浮かんでいました。
自信・・・かな?
それとも他になにかったのかもしれません。
2人の間にはなにか秘密が・・・?

でも、それを聞くこともでできませんでした。
なぜなら、みんなさん、一気に外に出たから・・・


「よし、作戦通りいくぞ。」
トーマさんの号令が飛びます。

「資材を確保しに行く者は俺に続け!」
そういってシェイドさんが駆け抜けます。

「さあ。相手は久々の使い魔ですわよ、マフィン!」
「解っているアル。大暴れするアルね!」
そう言ってルミネさんを中心に使い魔をけちらしていく皆さん。

そして・・・

「いくぞオラァ!」
「おでぇええん!」
「もいっちょ、オラァ!」
「おでぇええん!」・・・威勢はいいんですが、
影に隠れてロケットをトンカチで打ったり、
ネジを締めたりしている科学部の人たち。

いえ・・・大切なお仕事なんですが。
なんというか・・・
その・・・ちょっとカッコ悪いです。

「すごい・・・」
大量の使い魔が襲いくる中、
トーマさんやシフォンさんの指示が飛び、
カタパルトがどんどん出来上がっていきます。
それは線路のようなものでした。
そして天めがけて上に向いています。
その先にホワイト星があるんだ・・・ルーシアがいるんだ・・・

「おい!ほっかむり!」
もう・・・いいです、ほっかむりで。

「・・・なんですか?」
「もうすぐロケットの準備は整うぞ。」
「!!」
「覚悟、できてるんだろうな。」
「・・・はい!」
「そうか。なら、決めてこいよ!」
「はい!」

トレミーさん・・・
口は悪いし、ぐるぐるメガネだし、背も私と同じくらい低いですが、
ありがとうございます!
「褒めてんのかケナしてんのか、どっちだよ!」
・・・なんで聞こえるんですか。

「燃料できたよ~!」
そこへハーブさん達が燃料を持ってきました。
ボールやらフライパンやら色々なモノで。
・・・どうやって作ったんだろう。
これまたちょっと不安です。

「ルーナ、ごめんなさい。」
「へ?」
私に謝りかけてきたのは、ローズマリーさんでした。

「私がもっとあの人の危険性をみんなに知らせていれば・・・」
「・・・」
あの人・・・ルーシアのこと。
危険性・・・そうかもしれません・・・でも・・・

「大丈夫だよ、ローズマリー。」
「ハーブ?」
「ルーナがなんとかするよ。」
「なんで・・・」
「親友のことだもん。私たちだってそうだよね?」
「ハーブ・・・」
「ハーブさん・・・」

ハーブさんの一言。
それは、とても温かくて優しい言葉。
ほんの少しの、でも大きな勇気のプレゼント。

「ハーブさん、有り難うございます。」
「うん。頑張ってね。」
「はい!」
「気をつけてね・・・」
「はい。ローズマリーさんも!」

「よくワカンないけど、頑張ってくるのよぉ!」
「ブリンク、なんだか上からだよ?その言い方だと。」
「・・・いつも。」
「なんですてぇ!グリタぁ!」

ハーブさんと一緒にロケットの燃料を作ってくれた人たち。
「頑張ってきます。えっと・・・」
「アタシたちはB組のチーム・シャインよぉ!」
「頑張ってきてね!みんなで応援してるから!」
「・・・秀同・・・」
「ハイっ!」

「燃料の装填完了。部長、いつでも行けます。」
「わかった。よし、トレミーくん、カントくん!」
「ウスっ!」
「おでん!」
「エコロケットをカタパルトへ。」
「了解。」
いよいよホワイト星へ向けての発進です。

「ほっかむり。」
「はい。」
「見ての通り、このロケットは小さいものだ。」
「はい。」
「中に入るんじゃなくて、乗るタイプのものだ。」
「ですね。」
「振り落とされるなよ?」
私は首を縦に振ります。
振り落とされたりなんか、しません。

「カタパルトは完成しているが、急いでくれ!」
エコロケットを外に出したところで、
ブライトさんが息を切らせて走って来ました。

「使い魔の数が多い。長時間は持ちそうにないんだ。」
「ほっかむり!」
「いつでもいけますっ!!」

私はすでにロケットの上に跨っています。
そしてロケットはカタパルトの端にセットされています。
もう・・・いつでもOKです!

「加速したら、止まらないからな。気をつけろよ!」
「はい。」
「なんせ輪ゴムで飛ぶからな!」
・・・結構不安なんですけど、それ。

「ほっかむり君。」
「科学部の部長さん・・・」
名前、覚えてください、ほんと・・・

「最初の200メートル地点まではゆっくりだ。」
「・・・」
「もし途中で使い魔に邪魔されて止まることがあれば・・・」
「あれば?」
「ロケットは飛ばない。」
「ええ!?そう・・・なんですか?」
「ああ。だが、大丈夫だ。みんなが君を守る。」
「・・・はい。」
「君はこの状況を打開するため全力を尽くしてきてくれ。」
「はい、了解しました!」
「よし、科学部の技術の結晶・エコロケット、発進だ!!」

科学部の部長の号令で、
ロケットが発進します。
といっても、それはとてもゆっくりで。
まるで遊園地のジェットコースターの乗り始めみたいです。
・・・う、不安です。すごく。

「ルーナ!」
「あ・・・ビビン先生!」
ゆっくり進むロケットの横で、
ビビン先生が使い魔を追い払っていました。

「ルーシナの目、しっかり覚まさせなさいよね!」
「先生・・・ルーシアです。」
「そう、そうよ。そう。」
ビビン先生、頑張ってきます。

「ルーナ、ファイトよ!」
「お友達のこと、連れて帰ってきなさいよ。」
「頑張って!」
「ケガしないでね、ルーナさん!」
ソフィーさん・・・
アルテッサさん・・・
リオーネさん・・・
ミルロさん・・・
私、頑張ってきます!

「よきにはからって来るのじゃぞ~。」
エリザベータさん・・・

「バシっと決めてくるアル!」
マフィンさん・・・

「女は度胸ですわよっ!」
はい。頑張ります、ルミネさん。

「おでんおでんおでーん!」
すみません、あの何言っているかわかりません。

「この学園に必要のない生徒なんて必要ない!」
トーマさん・・・


「ルーナぁああ!」
「ナッチ!」
「・・・ちゃんと帰ってきてね。」
「・・・うん」
「ルーシアと2人で!」
「うん!!」

その瞬間でした。

「カタパルトのゴム、切断っ!!」
シフォンさんの声が聞こえました。
どこかでゴムを断ち切る大きな音がしたかと思うと・・・

「きゃあぁぁぁぁぁああああああ!」

ロケットが急に加速を開始しました。
なるほど・・・
ゆっくりだったのはゴムを巻いていたんですね。
って、悠長に考えている場合じゃないです!
これ・・・ものすごい勢いで・・・息が・・・

私は、目も開けられない程の勢いの中で、
滑走路・・・カタパルトの先を見てギョっとしました。

カタパルトは一気に天に向けて反り返っています。
まるでジェットコースターのように。
違うのは、途中で線路が無くなっていることでしょうか・・・
飛ぶんだ。
あそこから・・・

ロケットは加速し勢いをドンドン強めて行きます。
使い魔達はそのスピードの前に吹き飛ばさます。

私は・・・もう両目を目を開けていられず・・・
息も・・・辛い・・・
でも、解ります。
ホワイト星に向かっているのだと。
ルーシアに元に。


「ルーナ・・・早く帰ってきてね・・・」


もうロイヤルワンダープラネットの地表は私から見えません。
ロケットにしがみつくのが必死の私。
振り返ることもできませんから。

でも・・・

長く伸びたカタパルトの下。
胸で手を組んで祈るナッチの姿が一瞬見えた気がしました・・・
それは私の思い込み・・・だったのでしょうか?
まってるね・・・.jpg


待っていてね、ナッチ。
帰ってくるから。
必ず・・・ルーシアを2人で!!

☆★☆つづく☆★☆

このような稚拙なイラストなのに、
それなりに時間がかかったりして厄介です。
もっとレベルが欲しい・・・
まあ、他のことをする時間をもちっと絵にかければ・・・(えー)

ラストが近い予感?
まぁ、もちっとは続きますが(どっちだよ!?)

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)2 [ふたご姫妄想戦記]

第三の星。
三つ目の輝き。
発音だけならトロエトワールでも良い気もしていたのですが、
ドラゴンテール様がトロワエトワールでご紹介して下さったので、
こちらでいこっと決めたりしました(アバウトだな!)

イラスト描くの大変だ~。
と思って描いていたのが前半の絵。
楽しまなきゃ!と思って描いてみたのが後半の絵。
一番短時間なのに、一番気合い入っていたのが、
ティオの絵なのはヒミツでアレでソレ。
どこまで色っぽくえ(略)

土曜日になると更新されるはずな、
ふたご姫にちょっとカスリそうな駄文。

ふたご姫だけど主人公はルーナ(微妙だなおい)
☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

ふしぎ星のふたご姫☆★☆(トロワエトワール)2

☆★☆あらすじ☆★☆

もうね、大変だったのよ!
ちょっと聞いてよ。
いきなりよ、いきなり。
いきなりホワイト学園にアイツが来たかと思うと、
アタシやホワイト学園長、他の人も含めて、
ロイヤルワンダープラネットに飛ばされちゃったワケなのよ。
びっくりしたわ、ほんと。

ま、久々にあたしのカワイイ教え子の顔も見れたから良いけど。
でも、しこたまお尻うっちゃったじゃない!
01おしり痛いじゃないの!.jpg

まったく・・・
って、ちょっと!ドコ見てるのよ!!!(怒)

前回 ふしぎ星のひみつ姫☆★☆(トロワエトワール)

☆★☆第3章 今の私の想い☆★☆


ルーシアがみんなに伝えたこと。
それは、宇宙の光と影のお話。
確かに、私たちは自分たちのハッピーのために、
誰かが犠牲になっているなんて・・・
そんなこと、思ったこともありませんでした。
だから、みんな少なからずショックを受けていました。

でも・・・
私の心の中にはモヤモヤしたものがあります。
ルーシアは何か大切なことを忘れている気がします。
それが何かは・・・わかりません・・・

でも、ルーシアに聞けばわかるかもしれない。
ルーシアと話せば、はっきりするかもしれない。
だから・・・
だからルーシアに会いたい!
ルーシアと会って話しをしたい!!

「あの、シェイド様・・・さん!!」
「なんだ!?ルーナか?」
私は頷きました。

ブライトさんやトーマ生徒会長と今後のことについて、
集まって話をしていたシェイドさん。
シェイドさんだけは私の本当の姿を知っています。
私がラビ族のキャンディであることを知っています。

だって、シェイドさんが私をこの学園に編入させて下さったから。
私の願いを叶えてくれたのはシェイドさん・・・シェイド様。
そのシェイド様に、私はもう一度お願いしをしに来ました。

厚かましいと思われるかもしれません。
でも・・・でも!
もう他に方法が思いつかなかったから!


「私をルーシアに会わせて下さい!」
「なに?」
「私をルーシアと話させて下さい!!」
「なんなんだ?やぶからぼうに?」

私はルーシアと自分が友達であることをシェイド様に話しました。
親友であることを。
そして、ルーシアを止めたい気持ちを伝えました。


「だいたいは理解できた。」
「じゃあ!」
「だがな、アイツがいるのはホワイト星なんだぞ?」
「はい。ビビン先生から聞きました。」

「ちょっとルーナ!ホワイト星に行くのなんて無理よ!」
「どうしてですか!?ビビン先生!!」
私とシェイドさんの会話に、
自分の名前を聞きつけてビビン先生が入ってきました。

「ちょっと窓から外見てみなさいよ。」
「え?」
ビビン先生は親指で窓を指します。
窓を覗いてみると・・・
02それ全部ですか!?.jpg

「な、何・・・アレ・・・全部、使い魔・・・ですか?」
私が窓から見た風景。
それは使い魔があふれかえり、
空を雲のように空を覆っているこの星の現状でした。

「ウソ・・・こんなに・・・」
「と、いうワケよ。当然、宇宙電車なんかも止まってるわ。」

私たちはホワイト星に行けないのはもちろん、
ロイヤルワンダープラネットからも出られない状況のようです。
でも・・・それでも私は!!

「お願いします!私をホワイト星に行かせて下さい。」
「あのさ・・・今、外見て無理ってわかンないの?」
「もし、行くにしてもだ。」

シェイド様・・・シェイドさんが語気を強めて言います。
「お前ひとりを行かせることはできないな。」
「そうね。」
ビビン先生とシェイドさんが私に釘をさします。
それでも私はルーシアと会いたい・・・
会って話をしたいんです!

「ルーナ・・・もういいんだ。」
「え?あ・・・イーヤオさん。」
マルコメ頭で普段は少しナヨナヨしているイーヤオさん。
そしてルーシアの双子の弟とのことですが・・・
その人が私の目の前にやってきました。

そうです。
私はこのイーヤオさんと約束しました。
ルーシアが悪いことをしそうなら、止める、と。

「イーヤオさん、私、ホワイト星へ行ってルーシアを・・・」
「もう君では無理だ。ふたご姫も姉さまには倒された今では。」
「それは・・・私のせいんだんです。ごめんなさい。」

ファインさんとレインさんは、
今、心が凍りついて人形のようになってしまいました。
それは、おふたりのハッピーベルンが折れてしまったから。
その原因は私なんです。

私がお2人の魔法の力を跳ね返したから。
私のハッピーベルンをそんな風に使ったから。
私のアンジェリカを悪いことに。
私が悪いんだ・・・
だから私はその責任を取らないといけないんだ。

「私はルーシアに会いに行きいます!」
自分の決意を声に出しました。
譲れない想いだから。
でも、その声は裏返って・・・弱々しくて・・・

「無駄だ。もうキミが姉さまをどうこうすることはできない。」
「それでも私はホワイト星に行きたいんですっ!」
「解らないのか?もうそんなレベルじゃないんだ!!」

「その通りだ。」
「ブライトさ・・・ま・・・さん。」
イーヤオさんの意見にブライトさんが同調します。

「悪いが君が行って、どうなるとも思えない。」
「・・・」
「レイン達さえ敵わなかった相手なんだよ?」
「でも・・・」
「たとえ君がレイン達と同じような魔法が使えたとしても―」
「あ・・・」


ブライトさんが何を言いたいのか。
私にだってわかります。

たとえソレイユベルに祝福されたからといって。
たとえハッピーベルンを持っているからといって。
ファインさんやレインさんのように魔法を使えない私が、
たった一人しかいない私が、
ホワイト星へ行ったとして、
何ができるのでしょうか?

それは・・・わかるんです。
でも、私はルーシアに会いたい。
話をしたい!

「お願いです。私をホワイト星に連れて行って下さい!!」
「ボクの話を聞いて・・・」
「私の話を聞いて下さいっ!!」

私は叫びました。
大勢の人の前で、こんな大きな声を出すのは・・・たぶん初めて。
ただ、自分の想いを一生懸命に伝えたくて。

授業でもあまり発表なんてしないし・・・
たくさんの人の前で話をすることなんて、なかった。

でも、今は・・・今、言わなきゃいけない!
そうしないと、ルーシアには二度と会えない!
そんな想いが私を突き動かします。
だから、私は・・・ちっっぽけだけど、
めいっぱいの勇気を振り絞りました。

大切な・・・本当に大切な友達のために!


ルーシアのお話は私には難しいものでした。
その内容は確かに正しいことかもしれません。
でもだからといって、
ソレイユベルを壊すことが正しいとは思えません。
そんなことをしても、何も変わらないと思います。

ルーシアは私の友達です。親友です。
そのルーシアを助けるため・・・
私はファインさんとレインさんに大変なことをしてしまいました。

今のお2人の責任は私にあるんですっ!
そして、ルーシアを止める責任もあります!!
それがハッピーベルンを授かった、
私の使命だと思うからですっ!!!

だから私は・・・
私は・・・

ホワイト星に行きます!!

03私は!!.jpg


私は自分の胸のうちを言いきりました。
自分の想いを講堂にいたたくさんの人に伝えました。


でも・・・
周りの人は誰も何も言ってくれなくて・・・
やっぱり・・・私じゃ、ダメなのかな・・・・

「わかった。」
「・・・え?」
シェイドさんが難しそうな顔で頷きます。

「お前の覚悟、聞かせてもらった。」
「シェイドさま・・・さん・・・」

すると他のみなさんも、
次々と私に言葉をかけてくれました。

「よく解らないけど、わかった!」
「頑張って!」
「俺たちがホワイト星へ連れていってやる!」

うわ・・・
すごく・・・
こんなに大勢の人が私に声をかけてくれて・・・
嬉しい・・・
本当に・・・

気がつくと足が震えていて、
涙がこみ上げてきました。
「ありがとう・・・ございます。」
私は皆さんに向けて、頭を下げました。

「ルーナ!」
「あ・・・ナッチ。」
そこへ講堂に入ってから出会えていなかったナッチが、
手を振りながら走ってきました。

「ルーナ、立派だったよ。」
「あ・・・そうかな・・・えへへ・・・」
なんだか恥ずかしいです。

「ルーナ、ルーシアのこと、お願いね。」
「・・・うん。」
「ホワイト星、行くんだよね?」
「うん。」
「頑張ってね!」
「うん!!」
私とナッチは強く手を握り合いました。

「私のことも忘れないでね。」
「ロロア!はい、もちろんです!」

よし。
ルーシアのいるホワイト星へ行こう。
そして、話をしてルーシアに反省してもらおう。
それで2人で一緒に帰ってくるんだ。

「で、具体的にどうやってホワイト星に行くのよ?ルーナ。」
「は?」
ビビン先生のもっともなお言葉。

「確かに外は使い魔だらけだものね。」
とはアルテッサさん。

「それどころか、使い魔で空の上が見えないくらいだし・・・」
とはミルロさん。

「あれほどの数の使い魔を避けることはできないと思うわ。」
とはリオーネさん。

「そろそろ晩ゴハンの時間よね。みんなどうするのかしら?」
「たまにはアンタも真面目に考えなさいよッ!!」
とはソフィーさん。

本当に。
そろそろお腹もすいてきて・・・じゃない!
空に広がる使い魔の雲を超えて、
ホワイト星に行く方法なんて・・・

「そんな・・・責めてルーシアのところに行くことができれば・・・」
なんとかなるとは限らないけど、
ルーシアと会話することができるはず。
「なんとかホワイト星に行ければ・・・」


「いいんだな?」
「え?」
「本当にいいんだな?」
声の主は・・・

「片道切符でいいんだな?」
「トレミーさん!!」
メガネがトレードマークの科学部のトレミーさんでした。
でも、片道切符って・・・どういう意味だろう??

☆★☆第4章 つながる想い☆★☆


ホワイト星に行く。
ルーシアに会いに。
ルーシアと話をしに。
でも・・・
肝心の手段は何もありませんでした。

そこに科学部のトレミーさんがやってきたのです。

「おい、ほっかむり。」
「む。まだ名前覚えてないんですか!?」
呆れた・・・なんて人でしょう。

「ルーナです。ふしぎ星のルーナ!」
「そんなこたぁどうでもいいんだよ。」
ぜっんぜん、良くないです。
でも、それより気になります。

「トレミーさん、さっき言っていたことって?」
「ああ。片道でいいなら、ホワイト星までいく方法がある。」
「ほんとうですか!!」
まわりがざわめきます。
外にあふれる使い魔を抜けてホワイト星までいく方法がある。
ルーシアに会える!

はやる心を抑えて、トレミーさんに聞きます。
「どうやるんですか!」
「ああ。これだ!!」
そう言って、トレミーさんは傍らの大きな布を取り外しました。
・・・いつの間にそんなものを??

「おおー!!」

なんとそこにはロケットがありました。
「ふふ、これこそが科学部の総力の結集だ!」
「おでぇ~ん!」
「ふふ・・・振り子の原理も入っているのだよ。」
「どうだ、恐れ入ったか!すっごくエコなんだぞっ!!」

・・・さらにいつの間にか科学部の人たちが集まっていました。
ええと・・・なんか、怪しいです。
でも、まぁ、このロケットを使えば・・・

「ホワイト星までいけるんですね?」
「当然だ。科学部に不可能はない。」
「すごい・・・」

なんとかルーシアに会えそう・・・

「さっそく私をホワイト星まで連れて行って下さい!」
「おう。部長!」
「うむ。まかせたまえ。では、燃料を補充してくれ。」
「はい。どこにあるんですか?」
「うむ。どこにあるんだ?」



・・・は?



「あの・・・このロケットは何の燃料で飛ぶんですか?」
「もちろんナタネ油だ。エコロケットだからね。」
「はぁ・・・。では、そのナタネ油はどこにあるんですか?」
「君はもってないのか?」
「持ってません!」
普通、そんなの持ち歩いたりしませんよ・・・

「むぅ・・・トレミー君。」
「ええ、部長。」
「このロケットは飛ばないな。」
「ええ。飛びませんね。」
「あほかぁあああああ」

ああ、見事なツッコミ。
科学部の部長にビビン先生が。
トレミーさんにレモンさんが。
それぞれ素晴らしいツッコミをくらわせます。
・・・もう、そのまま宇宙まで飛んで行って下さい。


「うぐぐ・・・ま、まちたまえ。」
「なに?命乞い?」
ビビン先生・・・ちょっと怖いです。

「話を聞きたまえ・・・ナタネ油が精製できれば問題ないんだ。」
「ナタネ油って・・・そんなのどうやれば・・・」
「そんな簡単に作れるとでも思ってるの!?」

「あ、私わかるよぉ!」
「ええ?」
それは同じ1年生のハーブさんでした。
ファインさんたちと同じ、1年A組の生徒さんです。


「お料理だけでなくて、お肌にもいいからよく作るの。」
「本当ですか!?」
器用な人もいるんですね・・・

「そう言えばシェイド、菜種を育てていましたよね?。」
「ああ・・・よく知っていたな、ソロ。」
「ええ。まぁ。チームメイトですし。」
「きゃぁああ、ソロリン、すごい、素敵ぃいい!」
「むぎゅ!ハーブ放して・・・苦しい・・・」

ああ!?大変、ソロさんがつぶされる!!
のは、この際置いておいて・・・

「燃料のナタネ油こと、お願いできますか!?」
「もっちろん!」
ハーブさんは胸を叩いて答えてくれます。
ソロさんは・・・ハーブさんの手の中でぐったりしていますが。
その・・・お、お大事に。

ハーブさんがナタネ油を作れるということで、
これでロケットの燃料はなんとかなるかもしれません。
でも問題は・・・

「どうやって菜種を取ってくればいいでしょうか・・・」

そうです。
外にはたくさんの使い魔がいます。
ソレイユベルに守られているこの講堂から外に出れば、
使い魔たちが大挙して襲ってくるでしょう。
そんな危険なこと、人に頼めるものではありません。
・・・なら、私が!!


「それならこのティオめにお任せ下さい!」
04このティオめに!.jpg

「え?」
「ティオ?」
声の主はリオーネさんのお兄さん。
メラメラ星のプリンスのティオ様・・・さんでした。

「はい。このわたしめと、何人かの有志が」
そういって、何人かの人を指し示します。
「快速を飛ばして菜種を取ってきますです!」

「そうか・・・よし、頼む。」
シェイドさんは間髪入れず、ティオさんたちに頼みます。
「はい!お任せ下さいっ!」

「そんな!でも・・・危険です!わたしが・・・」
「大丈夫です。それではっ!!」

私が止める間もなく、
ティオさんと数人の男子生徒は、
あっという間に外に出て行ってしまいました。

それからしてすぐに―

「ぎゃー、うぎゃー、いやぁああああ!!
「・・・」
だ、大丈夫でしょうか。

しばらくして、ボロボロのティオさんたちが帰ってきました。
「フ・・・フフフ・・・これを見て下さい・・・」
「こんなにたくさん!?」
「任務完了です・・・ガク。」


ティオさんたちは、
この短時間でたくさんの菜種を刈り取ってきました。
使い魔に襲われながら・・・
ありがとうございます。ティオさん。
ティオさんたちの犠牲は無駄にはしません!

「これだけあれば、たくさんのナタネ油がとれるよ!」
そう言って、ハーブさんは私にウインク。
「よぉおし。ローズマリー手伝って!」
「ええ。」
「ハーブ、私たちも手伝うわ。」
「ありがと、シャイン!」
「まってよぉ!私も手伝うわよぉ!!」
「・・・グリタも・・・」
「じゃ、ブリンクもグリタも一緒に来て!!」

ハーブさんたちが菜種を持って、
講堂の奥にある炊事場に向かいます。
そこでナタネ油を精製するのだそうです。
・・・お願いします。

ちょんちょん

「え?あ、ティオさ・・・ん?」
ティオ様が私のスカートのすそをひっぱります。
あれ?倒れたんじゃなかったんだ。

「どうでしたか?このティオめの活躍は??」
「え・・あ・・ああ。はい、とてもかっこヨカッタです。」
「そうでしょう、そうでしょう!フフフ・・・ガク。」

「・・・」
褒められたかったんですね、ティオさん。
ボロボロのお姿と満足そうな寝顔がとても・・・
とても・・・
可愛らしです。(カッコよいと言って下さいぃぃいbyティオ)


いいえ。
ティオさんだけじゃありません。
多くの人が、今、私を手助けしてくれています。
ありがとうございます、皆さん。

ルーシアに会うための希望が見えてきた気がします。
皆さんが・・・紡いでくれました。
その想いに、私、一生懸命応えます!

ルーシア、待ってて。
必ずあなたのいるホワイト星へ行くから。
そして、こんな怖いこと、やめてもらうんです・・・
絶対・・・そう、絶対に!

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

背景ですか?
ありませんすみません。

ここに来て、久々にふたご姫関係の設定本を見返して。
・・・独自だと絵の限界をヒシヒシと感じます。

次回もすっ飛んで頑張ろう・・・
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